ビットコイン(写真=Shutterstock)

英上場のStack BTCは16日、貴金属販売会社Direct Bullionに対する最大1200万ポンドの非拘束買収提案を公表した。狙いは事業多角化ではなく、買収先が生み出すキャッシュフローを活用してビットコインの追加購入原資を確保することにある。

CoinPostによると、提案額は現金、株式、業績連動対価を組み合わせた構成となる。Stack BTCは現金300万ポンドに加え、取引完了時に約400万ポンド相当の株式を発行する条件を示した。

株式には4年間のロックアップを設定し、発行価格は1株当たり6ペンス以上とした。これに加え、業績に連動する現金対価として最大500万ポンドを支払う内容としている。

同社は今回の買収について、収益を生む事業を取り込み、そのキャッシュフローをビットコイン保有の拡大に振り向ける戦略の第一段階と位置付けている。金についても、ビットコインと同様の実物資産とみなしているという。

買収対象のDirect Bullionは、2026年1月期の売上高が5210万ポンド、税引後利益が215万ポンドだった。Stack BTCは、こうした収益基盤が同社のビットコイン蓄積戦略を下支えするとみている。

一方で、今回の案件には利益相反の要素もある。Stack BTC取締役のポール・ウィザーズがDirect Bullionの売り手側を支配しており、この取引は関係者取引に当たる。あわせて逆買収にも該当するという。

このため、取引の成立にはデューデリジェンスの完了と最終契約の締結が必要となる見通しだ。現時点では非拘束合意の段階にある。

Stack BTCの経営陣は、今回の構想をビットコインの直接購入と事業買収を並行して進める枠組みとして説明している。執行会長のクワシ・クワーテングは、資金調達によるビットコインの直接購入と、事業買収による資金創出を組み合わせた「二本柱の戦略」だと述べた。

外部資金の調達を繰り返してビットコインを買い増すのではなく、キャッシュを生む事業もあわせて確保する考えだ。

また、政界関係者による投資歴にも改めて注目が集まっている。英Reform UKの党首ナイジェル・ファラージは3月、資産運用会社Thorn in the Sideを通じて21万5000ポンドを投資し、Stack BTC株の約6.3%を取得した。

Stack BTCは、ビットコインを保有し継続的に積み増している上場企業として知られる。今後の焦点は、買収が実現するかどうかに加え、買収後のキャッシュフローがビットコイン購入にどの程度結び付くかに移る。デューデリジェンスの結果と最終契約の条件が、取引成立を左右する要因となりそうだ。

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