Grayscaleは、ライトコイン信託「LTCN」を現物ETFへ転換するため、米証券取引委員会(SEC)に修正届出書を提出した。承認されれば商品名は「Grayscale Litecoin Trust ETF」となり、NYSE Arcaへの上場を目指す。市場の関心は承認の可否そのものより、ETF化によってNAV割れや流動性の課題をどこまで改善できるかに移っている。
CoinPostによると、LTCNは現在、私募で組成された信託で、店頭市場(OTC)ではティッカー「LTCN」として取引されている。Grayscaleは2025年9月にも同種のS-3を提出していたが、現時点でSECは発効を認めておらず、信託からETFへの転換手続きも完了していない。
もっとも、資産規模は縮小している。ライトコイン価格の下落を受け、信託の純資産価値(NAV)は2025年6月末の約1億7590万ドルから、2026年6月末には約8230万ドルへ減少した。1株当たりNAVも約7.25ドルから約3.39ドルに低下している。
市場価格はなおNAVを下回る。LTCNの9月9日終値は4.01ドルで、NAVに対して8%のディスカウントで取引された。現在の信託構造では償還プログラムがなく、ETFのように需給と基礎資産価格のずれを調整する仕組みが働きにくい。このため、ETF転換が構造的なディスカウントの縮小につながるかが焦点となる。
上場手続きもまだ終わっていない。NYSE Arcaは2025年1月24日、上場を可能にする19b-4の規則変更案をSECに提出した。ただ、その後に新たな一般上場基準が導入され、当初の審査日程の意味合いは薄れた。2026年9月時点でも公式発表は出ていない。一方、Bloombergのアナリストは、2025年9月末時点の上場基準を根拠に、承認の可能性を100%と見積もっている。
競合商品はすでに先行している。Canary Capitalのライトコイン現物ETF「LTCC」は2025年10月28日に上場した。これに先立ち、同年9月にはXRPとドージコインの現物ETFが投入され、XRPとソラナの現物ETFもすでに運用されている。Bitwiseのドージコイン現物ETFも2025年11月にNYSE Arcaで上場承認を得たが、2026年9月に運用を終了した。
こうした中、Grayscaleのライトコイン現物ETFは後発となる公算が大きい。信託をETFへ切り替えても、市場参入のタイミングでは競合より出遅れる構図だ。
今回の申請で問われるのは、LTCNがOTCの信託からETFへ移行することで、価格乖離と流動性の問題をどこまで解消できるかだ。SECが新たな上場基準の下でどのような判断を示すのかに加え、後発商品として実際に資金流入を呼び込めるかが今後の注目点となる。