Binance市場でXRPの流動性が約6カ月ぶりの高水準となった。現物ETFへの資金流入やデリバティブ指標の改善もみられるが、市場ではなお、明確な上昇転換を判断するには早いとの見方が出ている。
15日、ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicによると、XRP市場では夏場の停滞を経て、取引活動に持ち直しの兆しが出ている。
注目されているのは、30日ベースの流動性回転率と流動性指数だ。30日回転率は約46億ドルに拡大し、流動性指数は約0.0675を記録した。これは、取引所が保有するXRPに対し、どの程度のペースで売買が回っているかを示す指標で、数値が高いほど価格変動を抑えながら大口注文を吸収しやすいことを意味する。
今回の持ち直しは、7月から8月にかけての低調な局面の後に表れた。この時期、30日回転率は20億~30億ドルまで落ち込み、市場全体も軟調だった。XRPは1ドル近辺で推移していたが、8月は月間で約28.5%上昇し、2021年以降で最大の8月上昇率となった。XRPの現物ETFに1億5355万ドルの資金が流入したことも、相場の下支え要因となった。
9月に入ると、実際の資金移動も拡大した。11日には9100万XRP超がBinanceに流入し、1億1300万XRP超が流出した。いずれも過去6カ月で日次最大規模だった。流出が流入を約2270万XRP上回ったものの、BinanceのXRP保有残高の週次増加率は0.43%にとどまった。取引所の内外で資金移動は活発化しているが、一方向の売り圧力や買い集めを示す動きとは言い切れない。
デリバティブ市場でも一部に改善の兆しがみられる。Binanceにおける7日ベースの建玉変化率は、8月29日のマイナス27%から9月6日には1%まで回復した。一方、建玉の平均残高は約4億7670万ドルと、前週比0.23%増にとどまった。夏場の低調な地合いからは持ち直しつつあるものの、強いトレンド転換を示すにはなお材料不足といえる。
市場では、流動性の改善をそのまま上昇シグナルと受け止めるのは難しいとの指摘もある。流動性指数が上昇しても、XRP価格が必ず上がるわけではないためだ。ただ、市場がより大きな売買注文を価格ショックを抑えつつ吸収できる状態に近づいていることは確認された。買いが強まれば、相場はより安定的に上昇しやすくなる半面、売りが優勢となれば、薄商いに伴う急変動を伴わずに下落幅が広がる可能性もある。
11日の大規模な入出金についても解釈には注意が必要だ。取引増加を示す可能性がある一方で、内部ウォレット間の移動やマーケットメイカーによる在庫調整だった可能性もある。現時点では、急増の背景がどちらだったのかは確認されていない。
今回のデータが示すのは、XRP価格そのものよりも、Binance市場の取引吸収力が高まっている点だ。現物ETFへの資金流入とデリバティブ指標の改善は同時に確認されたが、売買の方向感が定まった段階ではない。短期的には明確なトレンド形成よりも、一定のレンジ内で推移する可能性が高いとみられている。