9月公開の「GPT-6 Astra」写真=OpenAI

OpenAIのセラ・フライアー最高財務責任者(CFO)は、AIの安全確保のために必要であれば、フロンティアモデルの開発ペースを落とす可能性があるとの考えを示した。性能競争よりも安全性やアライメントを優先し、研究部門の判断に応じて投資計画や事業運営を調整する姿勢を明確にした。

米CNBCが15日(現地時間)に報じたところによると、フライアーCFOはジム・クレイマー氏とのインタビューで、「安全を真剣に受け止めなければならない」と述べた。その上で、「フロンティア開発のペースを調整したり、遅らせたりする必要があるなら、研究陣の判断に従う」と説明。「CFOとして、それに合わせて投資や事業計画を調整する必要がある」と語った。

こうした発言の背景には、AIの安全を巡る議論の再燃がある。元Anthropic研究員のジェイコブ・コクソン氏は最近、退社に際して「主要なAI企業は技術開発を過度に急いでいる」と批判し、「高度なAIは人類に致命的なリスクをもたらす可能性がある」と警告した。もっとも、これは同氏個人の見解であり、実際の発生確率が立証されたわけではない。

Anthropicのダリオ・アモデイ最高経営責任者(CEO)も12日、フロンティア開発の速度を調整すべきだとの考えを示した。アモデイCEOは、独立した評価機関に社内システムを継続的に点検できる水準のアクセス権を与え、主要AI企業が共通の安全基準を整備すべきだと主張した。OpenAIのサム・アルトマンCEOとイーロン・マスク氏も、こうした方向性に支持を示したという。

AI安全を巡る議論は、OpenAIの新規株式公開(IPO)の時期にも影響を及ぼしている。アルトマンCEOは最近、米Fortuneのインタビューで「安全性の問題を踏まえると、2026年の上場は適切ではない」と述べ、年内IPOの可能性を否定した。これに先立ち、フライアーCFOは従業員に対し、2027年の上場を見込んでいると伝えていた。

今回の発言は、AI安全が研究部門だけの論点ではなく、投資判断や製品投入、IPO時期にまで影響する経営課題になっていることを示している。

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