Rippleのブラッド・ガーリングハウス最高経営責任者(CEO)は15日、米上院で審議が進むClarity法案の行方にかかわらず、暗号資産業界は最終的に生き残るとの見方を示した。同日、米上院では同法案の審議入りに向けた手続き採決が行われたが、必要な60票に届かなかった。
ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、ガーリングハウス氏は15日、米カンザスシティで開かれたデジタル資産関連のイベントに参加し、Clarity法案を支持する立場を改めて示した。そのうえで、法案が議会を通過しなかったとしても、業界そのものが崩れるわけではないと述べた。
根拠として挙げたのは技術競争力だ。同氏は「より良く、より速く、より強い技術があれば、通常はそれが勝つ」と語った。あわせて、既存の金融システムは技術変化のスピードに十分対応できていないと指摘し、米国が海外市場に主導権を明け渡す理由はないとの認識も示した。
こうした発言が出たのは、Clarity法案が上院で重要な局面を迎えていたためだ。上院は15日、法案審議の開始に向けた手続き採決を実施したが、賛成50票、反対49票で、審議入りに必要な60票を確保できなかった。
共和党指導部は13日、修正案を提出し、公職者が暗号資産事業から得る収益を制限する倫理規定を盛り込んだ。ただ、こうした修正でも賛成の上積みにはつながらず、複数の民主党上院議員は譲歩として不十分だとの立場を示している。
もっとも、今回の採決が不成立に終わったとしても、法案が直ちに廃案になるわけではない。焦点は残された審議日程にある。米国では中間選挙の日程が近づいており、主要法案を処理できる立法上の時間は急速に限られつつある。このため、Clarity法案を巡る今回の手続き採決は、今後の議論の行方を左右する分岐点として注目されてきた。
ガーリングハウス氏は最近も上院議員に対し、法案前進への支持を呼びかけていた。完璧な法案を求めるあまり、現実的な妥協案まで潰すべきではないとし、数カ月に及ぶ交渉の中で相当な譲歩がすでに行われてきたと強調している。
同氏は一貫して市場構造法案の必要性を訴えてきたが、今回は法案の成否と業界の存続を切り分けて説明した。Clarity法案の重要性を認めつつも、暗号資産業界の将来が単一法案だけで決まるわけではないという立場を明確にした格好だ。法案が成立すれば米国内の制度整備は進むが、不成立だけで業界そのものが消えるわけではない、というのが同氏のメッセージだ。
一連の発言は、暗号資産を巡る制度整備の議論とは別に、技術競争力と市場需要が業界の持続性を支えるとの認識を改めて示したものと受け止められている。