ビットコインの短期保有者(STH)の一部が約30日間にわたり含み益を維持しており、強気相場への回帰を示す兆候だとする見方が出ている。
Cointelegraphが9月15日(現地時間)に報じた。オンチェーン分析会社CryptoQuantは、この動きを今サイクルで長期的な上昇トレンドへの回帰を示す重要なシグナルの一つと位置付けた。
CryptoQuantによると、ビットコインの短期保有者の一部は8月16日以降、継続して含み益の状態にある。短期保有者とは、未使用トランザクション出力(UTXO)を6カ月未満保有するウォレットを指す。比較的新しく参入した投資家層を反映しやすく、価格変動への感応度が高い集団とされる。
もっとも、短期保有者全体の損益はなお一様ではない。9月15日時点で、既存保有分のうち含み益にある短期保有の残高は1682億ドル、取得単価を下回る残高は1026億ドルだった。
その上でCryptoQuantは、損益の比率そのものよりも、短期保有者の少なくとも一部が30日連続で含み益を維持した点を重視した。
CryptoQuantは「市場高値の後、短期保有者がこれほど長く含み益の状態にとどまったのは今回が初めてだ」と指摘した。1月にも似た動きはあったが1週間以上は続かず、5月には損失側の残高が優勢だったという。
足元で参入した買い手が損失圏に沈んだままではなく、持ちこたえ始めている点がこれまでとの違いだとみている。
こうした動きは、過去のビットコイン相場の回復局面でも確認されている。2022年の弱気相場終盤でも、短期保有者が含み益を維持する期間が次第に長くなったという。
CryptoQuantは、弱気トレンドが反転するには、短期保有者の含み益が安定して継続し、価格上昇局面でも保有を続けることが必要だと分析した。
市場全体の損益指標にも改善の兆しが出ている。ビットコインが8月の上昇分をおおむね維持するなか、投資家全体の実現損益を示すSOPRは、8月19日に損益分岐点の「1」を上回って以降、その水準を小幅に上回った状態で推移している。
オンチェーン分析会社Checkonchainも、現在の短期保有者の損益構造は強気相場初期の回復局面と類似していると評価した。
短期保有者の中でも、足元の収益性改善を主導しているのは保有期間1〜3カ月のウォレットだ。CryptoQuantのデータでは、これらの実現価格(平均取得単価)は6万3372ドルとされる。
一方、保有期間3〜6カ月のウォレットの実現価格は7万3190ドルと、より高い水準にある。
このため、ビットコイン市場では直近に流入した買い手が先に含み益へ定着する一方、相対的に保有期間の長い短期保有層は、なお高い価格帯に取り残されている構図がうかがえる。
今後は、含み益の継続が途切れないかどうかに加え、短期保有者が実際に保有を続け、上昇トレンドを下支えできるかが焦点となる。