韓国IPTV放送協会は9月15日、KT、SK Broadband、LG U+のIPTV3社が保有する約1800万台の家庭用セットトップボックス視聴データを統合・分析する「TVインデックス」の活用を拡大する方針を明らかにした。従来の視聴率調査では捉えきれなかった実際の視聴規模を、到達規模や視聴時間といった指標で可視化するのが狙いだ。
同協会は同日、ソウル市西大門区の忠正タワーで、「国内メディア利用行動の変化とTVインデックス活用の方向性」をテーマにメディアスタディを開催した。会場では、データに基づく放送視聴計測の必要性と、TVインデックスの役割について説明した。
韓国のテレビ視聴率調査は現在、約4000世帯の視聴記録を基に全体の視聴率を推計している。一方、TVインデックスは、IPTV3社の家庭用セットトップボックス約1800万台のデータを活用し、チャンネルごとの到達規模や視聴時間などを把握する仕組みだ。
発表を行ったIGAWorksのイ・ソヨンチーム長は、テレビチャンネル数の増加に加え、OTTやYouTubeの普及で視聴経路が多様化しており、従来の標本調査だけでは細分化した視聴行動を十分に捉えにくくなっていると説明した。
韓国放送広告振興公社の資料によると、IPTV3社が送出する306チャンネルのうち、既存の視聴率調査で視聴率が0%とされたチャンネルは85に上り、全体の27.7%を占めた。
イ・ソヨン氏は「視聴率0%は、視聴者がいないことを意味するものではない。標本調査で視聴が捉えられなかった可能性が高い」と述べた。
TVインデックスでは、こうした小規模チャンネルでも具体的な数値で視聴実態を示せるという。2026年8月時点で、CNTVの視聴率は0.0902%だったが、月内に1回以上視聴されたテレビ台数は1152万1705台、総視聴時間は2004万3167時間だった。
同じ期間のChannel Aの視聴率は0.3590%だったが、月間視聴台数は1956万160台、総視聴時間は8033万2362時間と集計された。
協会は、TVインデックスは視聴率に代わるものではなく、到達規模や視聴時間といった絶対値の指標を併記することで、放送の実際の利用規模をより直感的に示せる点に意義があると説明した。
KBS2については、8月の月間視聴率が1.0292%だった一方、TVインデックス基準の月間視聴台数は2245万8296台、総視聴時間は2億3499万47時間だった。テレビ1台当たりの月間平均視聴時間は627.8分とされた。
イ・ソヨン氏は「既存の視聴率を無視したり、なくしたりしようという話ではない」とした上で、「視聴率に加え、実際の到達規模や視聴時間など多様な指標を合わせて見れば、放送局やチャンネルの価値をより明確に示せる」と語った。
また、テレビ広告の効果測定の対象を広げる構想も示した。現在のテレビ広告では、視聴や露出の有無を中心に成果を測定しているが、今後はセットトップボックスとモバイル端末を連携させることで、広告視聴後のアプリ利用やWeb訪問、購買といった行動データまで分析できる可能性があるという。
ただし、この機能は現時点でTVインデックスが提供しているものではなく、今後の拡張の方向性だとしている。
韓国IPTV放送協会のユ・ヨンファ会長は「メディア利用行動の多様化に伴い、放送の価値を多角的に測定し、活用できるデータの重要性が高まっている」と指摘した。
その上で、「IPTVが保有する大規模な視聴データを基に、放送コンテンツやチャンネルの価値をより具体的に示し、放送局やPPなどメディア産業全体でのデータ活用を拡大していく」と述べた。