ビットコイン・トレジャリー企業の評価では、保有量の増加だけでなく資金調達条件も重要となる。写真=Shutterstock

フランスのビットコイン・トレジャリー企業Capital Bは、8月末から約3週間でビットコイン保有量を3145BTCから3521BTCへ12%増やした。一方、希薄化後の1株当たりサトシはほぼ横ばいにとどまった。暗号資産メディアのCryptoSlateが12日、報じた。

Capital Bが開示した希薄化後の1株当たりサトシ(1サトシは1億分の1BTC)は、同期間に736.4から736.6へ小幅な増加にとどまった。

この間、発行済み普通株式数は3億3030万6740株から3億8250万6040株へ、潜在株式を含む希薄化後株式数は4億2707万4421株から4億7797万7121株へ、それぞれ約12%増加した。保有BTCの増加と株式数の膨張がほぼ同じペースで進み、1株当たりでみた増加効果は希薄化で打ち消された格好だ。

■ 新株予約権や転換社債で調達、株式併合で指標の見かけも変動

Capital Bは先月28日、普通株1株当たり4個の新株予約権を付した資金調達を実施した。新株予約権の満期は5年で、保有者は所定の行使価格で将来の新株取得が可能になる。

もっとも、権利行使は投資家の判断に委ねられるため、資金が実際に同社へ流入し、ビットコイン購入に充てられるかどうかは不透明だ。

同社はビットコイン連動型の転換社債も活用している。償還負担がビットコイン価値に連動する仕組みのため、ビットコイン価格が上昇した場合、返済負担が重くなる可能性がある。

さらに、8日に効力が発生した10対1の株式併合も、指標の読み取りを難しくする要因となっている。旧株10株を新株1株に統合するため、資産が増えていなくても1株当たり指標は機械的に押し上げられる。

株式併合後の基準に換算すると、1株当たりサトシは7366となる。CryptoSlateは、併合前後の基準を混在させてグラフ化すると、実際の成果とは無関係に数値が大きく改善したように見え、実態を誤認させる可能性があると指摘した。

■ ユーロ建てで進める欧州型のビットコイン戦略

Capital BはEuronext Growth Parisに上場しており、2024年11月にビットコイン戦略を採用した。既存事業として、Web開発会社iORGAやBI・AIコンサルティング会社Trimaneも手掛けている。

フランス会計基準では、ビットコインの評価損が業績に引当金として反映される。2025年の純損失は6220万ユーロで、この大部分はビットコイン評価損5390万ユーロに伴うものだった。

一方、子会社調整後EBITDAは約120万ユーロの黒字だった。トレジャリー事業に関連するコストは約410万ユーロとしている。

Nasdaq上場企業のStrategyは、ドル建てで普通株、転換社債、優先株を組み合わせて資金を調達している。Capital Bは通貨、会計基準、上場市場のいずれの面でも、これとは異なる構図にある。

CryptoSlateは、ビットコイン・トレジャリー企業を評価する際には、保有量の増加といった表面的な数字だけでなく、新株発行価格、新株予約権や転換社債の条件、債務の償還負担を先に確認すべきだと強調した。なお、ビットコイン価格は現在7万7160ドルで、24時間前比0.24%安となっている。

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