中国のヒューマノイドロボット企業Unitree Roboticsの株価が10日、500元を下回った。上場直後に急騰した株価は約3週間で高値から53%下落し、時価総額は約2400億元縮小した。市場では高成長への期待が続く一方、過熱気味のバリュエーションや、中国当局によるIPO審査厳格化の動きに注目が集まっている。
ブロックチェーン関連メディアのCryptopolitanによると、同社の時価総額は上場後約3週間で高値から2400億元超減少した。
同社は8月19日、上海証券取引所の科創板に公開価格150.80元で上場した。初日の終値は845元と公開価格を460%超上回り、取引時間中には一時1100元まで上昇。時価総額は一時約4450億元に達した。
ただ、その後は下落基調に転じた。前日の終値は513.93元で、初日終値比では約39%安、初日の取引時間中高値比では53%安となった。10日も約3%下落して500元の節目を割り込み、時価総額は約2020億元まで縮小した。ピーク時と比べると、約3週間で2400億元超の時価総額が失われた計算になる。
もっとも、足元の株価はなお公開価格の3倍を上回る水準にある。公募では約9億ドルを調達した。
◆高成長でも重いバリュエーション
Unitree Roboticsの正式社名はYushu Technology Co Ltd。2025年の売上高は17億元で、前年の3億9277万元から大きく伸びた。内訳では、ヒューマノイドロボットの販売台数が5500台を超え、関連売上は最大8億6800万元だった。
2025年の純利益は2億7800万元。同社は2026年上期の売上高について、10億5200万~11億2800万元を見込み、前年同期比で36~45%の成長を見込んでいる。
それでも、10日終値ベースの時価総額は約300億ドルに達する。これは2025年売上高の約125倍、調整後利益ベースで350倍超に当たる水準とされる。
比較対象として挙げられる米オレゴン州のAgility Roboticsは、企業価値約25億ドルで、SPACとの合併による上場を進めている。一方で、2025年の純売上高は178万ドルにとどまり、営業損失は1億4020万ドルを計上した。
◆ヒューマノイド企業のIPO審査、厳格化の動き
中国証券監督管理委員会は、一部の銀行や企業に対し、非公式の「ウィンドウ・ガイダンス」を伝えたとされる。ヒューマノイドロボット企業がIPOを進めるには、継続的な売上を確保して赤字を縮小する道筋、もしくは実質的な技術革新を示す必要がある、との内容だという。
中国では現在、90カ所を超えるヒューマノイドロボットの訓練センターが運営されている。多くは地方政府とロボットメーカーが共同で資金を拠出し、メーカー側がロボットを購入して遠隔操作により訓練データを生成する仕組みとされる。ただ、業界で計上される売上のうち、独立した継続顧客の需要に基づく比率は明らかになっていない。
こうした疑問は業界内部からも上がっている。部品供給企業Mech-Mindの共同創業者兼CEOとされるシャオ・ティエンラン(Shao Tianlan)の発言とみられるスクリーンショットが10日に拡散した。画像には、一部のAI企業がデータ収集センターや関連当事者取引を通じて売上を計上し、上場を進める「注目集め型」の企業だとする趣旨の内容が記されていた。
2023年設立のスタートアップGalbotは、2026年の春節イベントへの登場後、3月に企業価値200億元超を基準に25億元を調達した。Galbotはこの主張について現時点で公の立場を示しておらず、規制当局も関連取引に関する判断を示していない。