KB金融グループは11日、次期会長の最終候補にイ・ジェグンKB金融持株部門長を選定したと発表した。最高益更新が続くヤン・ジョンヒ現会長の再任が有力視されていたが、会長候補推薦委員会は安定継続ではなく、変化と世代交代を軸に新たなリーダーを選んだ。
会長候補推薦委員会は、イ氏について、KB国民銀行長と持株部門長を歴任し、銀行、非銀行の双方で幅広い経験を積んできた点を評価した。今後の経営環境の変化に対応し、新たな成長ドライバーを生み出すのに適した人材だと判断した。
同委員会は同日、先月27日に絞り込んだ3人の候補を対象に面接を実施した。対象となったのは、クォン・グァンソク前ウリ銀行長、ヤン・ジョンヒKB金融会長、イ・ジェグンKB金融持株部門長の3氏。候補者ごとに2時間にわたり審査した。
評価は、業務経験・専門性、リーダーシップ、道徳性、KB金融グループのビジョンと価値観の共有、短期・長期の健全経営への取り組みという5項目、計25の基準に基づいて行われ、最終投票でイ氏が選ばれた。イ氏は11月20日の臨時株主総会を経て、代表取締役会長に選任される予定だ。
◆現職再任観測を覆し、「変化」を選択
金融業界では当初、ヤン会長の再任を有力視する見方が強かった。
ヤン会長の在任中、KB金融は最高益を相次いで更新し、業界有力グループとしての地位を固めてきた。今年も上期の純利益が3兆8846億ウォンに達するなど、業績は堅調に推移していたためだ。
それでも会長候補推薦委員会は、これまでの成果の延長よりも、次の成長に向けた変化の必要性を重く見た。足元の実績にとどまらず、金融業界の再編や資本市場への資金シフトなど、今後の環境変化に対応できる新たなリーダーシップが必要だと判断したとみられる。
チョ・ファジュン会長候補推薦委員長は、「現在の優れた成果にとどまらず、グループの競争力の源泉を強化し、将来の成長ドライバーを確保するには、大胆な変化と世代交代が必要な時期だ」と述べ、選定の背景を説明した。
中でも、イ氏が銀行と非銀行をまたぐ多様な経験を持つ点が高く評価されたもようだ。
イ氏は1993年に住宅銀行に入行。KB金融持株では財務企画部長や最高財務責任者(CFO)を務め、LIG損害保険、現代証券、ウリファイナンシャルの買収にも関与した。現在のKB金融における非銀行ポートフォリオの構築を主導した一人とされる。
その後はKB国民銀行に移り、CFOや営業グループ代表を経て、2022年に当時としては業界最年少で銀行長に就任した。3年間で収益構造と営業体制を整え、2025年にKB国民銀行が過去最大の純利益を計上する基盤を築いたとの評価がある。
2025年からはKB金融持株のグローバル部門長、WM・SME部門長を務め、グループ事業を統括してきた。銀行長の経験に加え、財務・戦略、グローバル、資産運用、中小企業金融までカバーする経歴を持つ。
◆次の成長ドライバー創出が焦点に
イ氏には、すでに高水準にあるKB金融の業績と企業価値を、さらに引き上げる役割が求められる。
KB金融は、銀行に加え、証券、保険、カードなど非銀行子会社でもバランスの取れた収益基盤を持つ。ヤン体制で進んだ株主還元の拡充や企業価値向上策の継続も課題となる。既存事業の競争力を維持しながら、新たな成長ドライバーを育てる必要があり、経営の難度はむしろ高まる可能性がある。
会長候補推薦委員会がイ氏の強みとして、金融業界再編への対応力や資金シフトへの対応力を挙げたことから、資本市場、WM、グローバル、SMEなど、イ氏が直接管掌してきた分野でどのような変化を打ち出すかに注目が集まりそうだ。非銀行のM&Aと銀行経営の双方を経験している点も、今後のグループポートフォリオ再編で強みになり得る。
ヤン会長が過去最高業績と株主還元拡大によってKB金融の規模と企業価値を押し上げたとすれば、イ氏の課題は、それを土台に新たな成長軸を築くことにある。
現職会長の再任観測が強い中で、変化と世代交代の象徴として選ばれた以上、今後の経営戦略で前体制との違いをどれだけ早く示せるかが、最初の評価軸となりそうだ。