Shopifyのロゴ。写真=Shutterstock

Shopifyは、モバイルアプリ開発の方針を見直し、React Nativeを軸としたクロスプラットフォーム開発から、ネイティブ開発へ移行する。LLMの進展によって、iOSとAndroidの差分実装にかかる負担が下がったことが背景にある。

米メディアのThe New Stackが10日(現地時間)に報じたところによると、Shopifyは2020年、iPhone向けをSwift、Android向けをKotlinで個別開発していた体制を改め、React Nativeによる単一コードベース中心の開発に切り替えた。

しかし今回は、再びネイティブ開発に軸足を移す判断を下した。

同社によると、消費者向けアプリ「Shop」はプロトタイプを経て、12週間でネイティブ版として正式リリースした。次の対象は、300以上の画面を持ち、iOSプラットフォームとの連携も深い販売者向けアプリになるという。

Shopifyは、React Nativeの採用自体を誤りだったとはみていない。当時の選択として十分に機能したとの認識を示している。実際、2025年1月時点でもReact Nativeを軸に据える方針に言及していたという。一方で、LLMの登場によりネイティブアプリ開発の負担が大きく下がり、開発戦略の見直しにつながった。

Shopifyのエンジニアリングディレクター、ムスタファ・アリ氏は「2020年の意思決定を支えた前提の一つを、LLMが変えた」と説明した。2025年下半期以降は、エージェントがiOS版を基にAndroid版を生成する、あるいはその逆を担えるようになり、エンジニアは不慣れなプラットフォームでも開発を進めやすくなったとしている。

もっとも、移行作業は当初から順調だったわけではない。既存のReact NativeコードをそのままLLMに渡して再生成させる手法では、成果物の品質が安定しなかった。仕様書や作業対象ファイルを先に用意しても、保守しにくいコードが出力され続けたという。

そこで同社は、社内システム「Helix」を構築した。Helixは作業を画面単位に細分化し、既存アプリと生成結果を比較しながら進める仕組みだ。さらに別のエージェントがコード上の問題を先に検出し、人間が最終承認を行う。見つかった問題は記録し、別画面の開発時に参照できるようにしている。

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