画像=ギガジン。音声対話とバックエンド推論を分離するOpenAIの構成を示したもの。

OpenAIは9月10日(現地時間)、リアルタイム音声対話モデル「GPT-Live-1」のAPI提供を開始した。フルデュプレックス方式を採用し、ユーザーの発話が終わるのを待たずに応答できるのが特徴で、割り込み発話や自然な話者交代に対応した音声エージェントの開発を後押しする。

ギガジンが報じた。開発者はAPIを通じて、音声エージェントの話し方や話速、対話スタイル、応答フローなどを細かく設定できる。

GPT-Live-1の最大の特徴は、フルデュプレックス方式の採用にある。従来のように音声をテキスト化し、言語モデルで処理したうえで音声合成する構成ではなく、単一モデルで入力音声と出力音声を同時に処理する。

このため、ユーザーがAIの応答中に話し始めたり、新たな内容を差し込んだりしても、対話の流れを途切れさせにくい設計になっている。

OpenAIによると、この構成により、音声対話の遅延や、モデル間の情報受け渡しで生じる不安定さを抑えた。周囲の雑音や無音区間にも自然に対応し、長時間の対話でも文脈を維持しやすくしたという。

開発者が音声エージェントの振る舞いを直接設計できる点も特徴だ。システムプロンプトで話速やイントネーション、会話スタイルを指定できるほか、多言語や方言に対応する音声オプションも用意する。

一方で、複雑な推論やツール呼び出しは別のバックエンドモデルが担う。GPT-Live-1が音声対話を担当し、推論処理は「GPT-6 Astra」などのテキストモデル、または外部モデルに振り分ける構成だ。

こうした仕組みにより、レストラン予約やカスタマーセンターなど、電話応対型のAIエージェント構築を想定している。

性能面では、既存の音声モデル「GPT-Realtime-2.1」と比べ、フルデュプレックスのベンチマーク性能が30%向上したとしている。発話切り替え時の遅延や、対話の相互作用の品質も改善したという。

また、GPT-6 Astraと組み合わせた音声エージェントの作業知能評価では、「Tau3」基準で1位だったとしている。

企業での採用も始まっている。住宅・医療機関向けのAIソリューションを手掛けるEliseAIが初期設計パートナーとして参加し、GPT-Live-1を本番環境に導入した。

価格は、音声フロントエンド利用料が1分当たり0.05ドル。開発者はバックエンドモデルや必要なエージェント機能を組み合わせ、用途別の音声AIを構築できる。

今回のAPI公開は、OpenAIがリアルタイム音声AIをChatGPTの内部機能にとどめず、カスタマーセンターや予約、電話相談など外部サービスへ広げる動きの一環とみられる。相手の発話を待つ従来型の音声AIから、相互に話しながら進む自然な対話型AIへ移行が広がるかが焦点になりそうだ。

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