RippleとXRP(写真=Shutterstock)

Rippleは、企業向け財務管理サービス「Ripple Treasury」に搭載する財務AI「GSmart」の機能を強化した。連携型エージェントやポリシー設定機能、分析基盤を追加し、企業に求められる内部統制や監査対応を踏まえた財務判断を支援する。

CoinPostが11日(現地時間)に報じたところによると、今回の更新はAIの適用範囲を広げると同時に、企業利用で重視される統制と監査可能性の確保を柱としている。

Ripple Treasuryは、Rippleが今年提供を開始した企業向け財務管理サービスだ。流動性管理、照合、リスク管理、決済機能を備え、現金に加え、XRPやRLUSDなどの暗号資産・ステーブルコインを一元管理できる。24時間365日のリアルタイム国際送金にも対応する。

追加した機能は大きく3つある。1つ目は、予測・計画、流動性管理、リスク管理、照合、レポーティングなどの業務領域で動作する連携型エージェントの導入だ。

2つ目は、AIの判断基準となる組織全体のポリシーや管理ルールを利用者が定義できる「Knowledge Studio」の追加である。

3つ目として、財務分析とAIベースのレポーティングに対応する統合基盤「Analytics Studio」を搭載し、対話型支援機能も提供する。

Rippleは今回の機能強化により、企業組織に必要な統制と監査可能性を確保しながら、より迅速で根拠ある意思決定が可能になるとしている。単にAI機能を追加するのではなく、社内ポリシーに沿って動作するよう設計した点を強調した。

Ripple Treasuryの上級副社長レナト・ベル・エケは、企業の財務部門がAI導入の圧力にさらされている一方、あらゆる財務判断には説明責任や適切な管理、法令順守が求められると指摘した。

そのうえで、GSmartはAI任せの運用を前提とするのではなく、各組織の財務ポリシーの枠内で動作し、推奨理由も提示すると説明した。最終判断は常に人が担える設計だとしている。

承認プロセスも人手を前提とする。GSmartは財務計算とAIによる解釈を分離し、判断の根拠となる計算は決定論的な計算エンジンが担う。AIはポリシーの解釈、パターン認識、推奨の提示と説明を担当する。

ただ、財務執行に関する承認権限は引き続き財務チームが持つ。

Rippleは、こうした機能強化の背景として企業におけるAIガバナンス需要の高まりを挙げた。Gartnerの予測では、2028年までにFortune 500企業が運用するAIエージェント数は平均15万に達する可能性があるという。

一方で、適切なAIエージェントのガバナンス体制を備えているとみられる組織は13%にとどまるとRippleは説明した。

このほかRippleは、他の製品群でもAI活用を広げている。6月には、XRPL開発者向けにAIエージェントの決済向け開発ツール「XRPL AI Starter Kit」の提供を開始した。

企業財務分野でのAI導入とXRPLベースの開発ツール拡充を並行して進め、決済・デジタル資産インフラにおけるAI活用の拡大を図っている。

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