Volkswagenは電動ミニバン「ID.Buzz」に、新たな運転支援パッケージ「IQ.Drive」を搭載した。車線変更支援や高速道路の出口ランプ対応、運転者の異常時における自動停車機能などを拡充し、走行時の利便性と安全性を高める。
電気自動車メディアのInsideEVによると、Volkswagenは10日(現地時間)、ID.Buzz向けにIQ.Driveを導入した。パッケージには「Travel Assist」「Emergency Assist Plus」「予測型アクティブ・クルーズ・コントロール」や「道路経験管理」などを盛り込み、同社の運転支援機能を強化した。
予測型アクティブ・クルーズ・コントロールは、従来のアダプティブ・クルーズ・コントロールを拡張した機能だ。高速道路の出口ランプに合わせて車線変更し、進入速度に応じて自動で減速する。交通状況に応じた速度調整にも対応し、加速時には事前に運転者へ通知して承認を得る仕組みとしている。
Travel Assistには車線変更支援を追加した。運転者が方向指示器を操作すると、車両が周囲の交通状況を確認し、安全と判断した場合に車線変更を開始する。メーターには緑色の点滅矢印を表示し、進路変更可能なスペースを最大12秒間探索する。条件が整わない場合は赤色表示で運転者に知らせる。
運転者の異常時に備えた機能も強化した。Emergency Assist Plusは、一定時間にわたって操舵入力が検知されない場合に警告を発し、反応がない場合は車両を路肩など安全な位置へ移動させる。
Travel Assistの作動中は、25秒間操舵入力がない場合、ホーンやブレーキ作動、シートベルトの締め付けなどで警告する。その後も反応がなければ、安全を確保できる場合に限り、車両が自動で路肩に移動して停車し、ハザードランプを点灯する。続いてドアを解錠し、車内灯を点灯させたうえで緊急サービスに連絡する。
ID.Buzzにはクラウドベースの道路認識機能も追加する。「道路経験管理」はプレミアムサブスクリプションとして提供し、利用車両のカメラデータを活用して車線や街灯、道路標識などを学習・地図化する。車線の摩耗や悪天候でカメラによる認識が難しい場面でも、車両の位置把握を支援するという。
一方、今回のアップデートは完全自動運転を意味するものではない。ID.Buzzは引き続き、高速道路での完全なハンズフリー走行や、出発地から目的地まで運転者の監督なしに移動する機能には対応しない。
それでも、IQ.Driveの搭載によってID.Buzzの商品力は一段と高まりそうだ。車線変更や出口ランプ対応、運転者異常時の停車支援までカバーすることで、電動ミニバンとしての実用性を押し上げる。