Kalshiは米国で、金と銀を原資産とする無期限先物「パーフス」の取引を始めた。米商品先物取引委員会(CFTC)が9月8日に契約を認証しており、暗号資産に続いて非暗号資産にも無期限先物の対象を広げる。
ブロックチェーン系メディアのCryptopolitanなどによると、KalshiはCFTCの認証を受け、金・銀の無期限先物契約を新たに上場した。取引は10日、KalshiのWebサイトで始まった。CFTCの資料でも、金・銀のパーフス契約が9月8日に認証されたことを確認できる。
今回の取扱開始は、予測市場を主軸としてきたKalshiが、暗号資産に加えてコモディティ分野にも事業領域を広げる動きといえる。金と銀を、既存の暗号資産パーフスと同じ無期限先物の枠組みで売買できる点が特徴だ。Kalshiは7月に金パーフス導入の承認を申請し、9月初旬にCFTCの認証を得た。
Kalshiは無期限先物事業をまず暗号資産で拡大してきた。CFTCは5月、Kalshiのビットコイン・パーフス契約を認めており、その後、同社は暗号資産パーフス市場を広げてきた。Kalshiによれば、暗号資産パーフスの名目取引高は440億ドルに達したという。
金・銀への拡大についてKalshiは、投資家需要の強さを理由に挙げる。Kalshi Klearの最高リスク責任者(CRO)、ウデシュ・ジャ氏は、金属、とりわけ金と銀はインフレ局面で投資家の関心を集めやすい資産だと説明した。
金属関連商品の伸びも目立っている。Kalshiは、金属と原油に関連する契約の取引量が、投入から7カ月で4億ドルを超えたと明らかにした。暗号資産イベント市場が同規模に達するまでと比べ、2倍の速さだったとしている。ロイターによれば、Kalshiは9月に入り、金属・商品関連の月間取引量が4億ドルを超えたことも明らかにした。
無期限先物は、満期がない点で通常の先物契約と異なる。投資家は原資産を直接保有しなくても価格変動に応じた売買ができ、一定間隔で発生するファンディングによって、契約価格が現物価格に連動する仕組みになっている。
Kalshiは今後も無期限先物のラインアップを拡充する方針だ。8月には、米国株、銅、外国為替を原資産とするパーフス導入の承認を申請した。金・銀に続き、非暗号資産分野で取扱商品を広げる流れとなる。
無期限先物市場を巡っては、既存のデリバティブ取引所との競争も強まりつつある。米規制当局がパーフスを認めたことで、従来の先物市場との競争激化を懸念する声もあり、影響を受ける可能性がある取引所としてCboe Global MarketsやCME Groupが挙がっている。
デリバティブ取引所を運営するCME Groupは、CFTCによるパーフス承認を巡って法的対応に乗り出している。CME GroupはCFTCを相手取り提訴し、規制当局がパーフス契約を認めた手続きは不適切だったとして、米国内での承認差し止めを求めている。
Kalshiは無期限先物事業の成長要因として、規制下で取引できる環境を強調する。ウデシュ・ジャCROは、規制されたプラットフォームで適切なリスク管理の下で売買できることが成長の主因だと説明し、無規制のプラットフォームでは市場拡大に限界があったとも述べた。
Kalshiによる金・銀パーフスの投入は、予測市場中心だった同社の事業を、伝統的なデリバティブ領域へ広げる転機となりそうだ。今後は米国株、銅、外国為替などへ対象を広げられるかに加え、既存取引所や規制当局との競争・摩擦が焦点となる。