米地域銀行・信用組合向けのステーブルコイン決済基盤を共同展開するCoinbaseとMoov。写真=Coinbase

米暗号資産取引所のCoinbaseは決済インフラ企業Moovと提携し、米国の地域銀行と信用組合向けにステーブルコイン決済基盤を提供する。大手行ほど暗号資産関連技術に投資しにくい中小の金融機関でも、既存システムを活用して関連サービスを展開できるようにする。

米メディアCryptopolitanなどの報道とCoinbaseの発表によると、両社はCoinbaseのデジタル資産インフラをMoovの決済プラットフォームに統合する。初期段階では、個人向けステーブルコイン決済、加盟店の代金受け取り・精算、法人向け支払い、リアルタイムの資金調達に対応する。金融機関が暗号資産システムを新たに一から構築する必要がない点が特徴だ。

Moovは、米国全土で1000以上の地域銀行と信用組合を顧客として抱える。既存プラットフォームでは、カード発行や加盟店決済、リアルタイム決済ネットワークへの接続を支援してきた。今回、これにCoinbaseの決済APIとカストディ型ウォレット技術が加わる。もっとも、1000以上の金融機関すべてで導入が決まっているわけではない。

Moovの最高経営責任者(CEO)、ウェイド・アーノルド氏は、地域金融機関の法人顧客はすでにステーブルコイン決済への対応を求められているものの、現状では外部事業者を通じて処理していると説明した。Citizens Bank of EdmondのCEO、ジル・カスティーリャ氏は、中小企業の顧客がカード決済コストの削減と、より迅速な入金手段を求めていると述べた。

今回の提携は、米上院でデジタル資産の市場構造を巡る法案「CLARITY Act」の採決を控える中で公表された。上院は15日(現地時間)、審議入りに向けた手続き採決を実施する予定で、可決には60票が必要となる。暗号資産業界が法案成立を求める一方、地域銀行は、ステーブルコインの利回りが預金流出を招き、地元向け融資の余力を損なう可能性があるとして、規制強化を訴えている。

CoinbaseとMoovの提携は、こうした対立の中で、地域銀行がステーブルコインを競合先とみなすだけでなく、自ら決済インフラとして活用する選択肢を示した点で注目される。

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