Kakaoのパンギョ拠点。写真=Shutterstock

Kakaoは9月16日、人的分割を巡って個人株主向けのオンライン説明会を開く。分割計画の公表後は株価が下落し、個人株主や労働組合から反対の声も出ている。12月17日の臨時株主総会で特別決議を控える中、分割の必要性と株主の経済的利益をどこまで具体的に示せるかが焦点となる。

開示資料によると、説明会は16日午後4時に開催する。人的分割の概要や推進の背景、期待効果を説明したうえで、質疑応答を実施する。開催目的について同社は、「ガバナンス再編に関する主要内容の説明および投資家理解の向上」としている。

Kakaoが個人株主向けに人的分割をテーマとした説明会を開くのは、先月21日に分割計画を発表して以降初めて。

同社は、カカオトークとAI基盤のプラットフォーム事業を担う新設法人「KakaoAI」と、テックフィン、コンテンツ、モビリティなど主要子会社への投資や新たな成長事業の発掘を担う存続法人「KakaoX」に分割する方針だ。分割比率は純資産の帳簿価額ベースで、KakaoAIが36.49%、KakaoXが63.51%となる。

事業構造を切り分け、それぞれの事業に適した意思決定と資本配分の体制を整えることで、市場で事業価値をより明確に評価してもらう狙いがある。既存株主は分割比率に応じて、KakaoAIとKakaoXの株式をそれぞれ受け取る。

ただ、分割計画の公表後、株価は軟調に推移している。発表前日の8月20日に3万8700ウォンだったKakao株は、発表当日の8月21日に3万5800ウォンと7.49%下落した。その後も水準を回復できず、9月10日の終値は3万4900ウォンだった。発表前日と比べると約9.8%安い。

個人株主側からは、分割によって得られる実益をより具体的に示すべきだとの声が上がっている。少数株主プラットフォーム「Act」は、事業ごとの独立経営や迅速な意思決定が、組織改編だけでは実現しにくい目標なのかについて説明が必要だと指摘。分割後の既存株主の経済的利益、両社の企業価値向上の道筋、株主還元や株主保護策の提示も求めている。

Actが9月7日に公表した事前投票では、「人的分割対応キャンペーン開設」議案に参加株式の99.97%、「Act研究所の詳細分析要請」議案には100%が賛成した。ただ、9月10日時点でキャンペーンに集まった持ち分は約0.31%にとどまり、議決権全体に占める比率はなお限定的だ。

Kakaoが個人株主の動向に神経をとがらせる背景には、株主構成と株主総会の決議要件がある。

現在、Kakaoの少額株主は約160万人で、発行株式の約60%を保有する。人的分割議案は12月17日の臨時株主総会で特別決議が必要となる。特別決議は、出席株主の議決権の3分の2以上の賛成に加え、賛成株式数が発行済み株式総数の3分の1以上でなければならない。

少額株主が一枚岩で人的分割に反対しているわけではないが、個人株主の反対が広がれば、会社側の対応負担は増す。筆頭株主と特別関係者の持ち分だけでは可決を見通しにくく、機関投資家と個人株主の議決権行使の動向が重要になる。

労働組合も人的分割に反対する立場を明らかにし、主要株主や少額株主への説得に乗り出す方針を示している。個人株主は株主価値や分割の経済的利益を、労組は雇用の安定や経営刷新を主な論点としているが、現時点で公表された計画だけでは分割の必要性や実行方針が十分に示されていないという問題意識では共通している。

16日の説明会では、Kakaoが人的分割の枠組みを説明するだけでなく、「なぜ組織改編ではなく法人分割が必要なのか」にどこまで踏み込んで答えられるかが注目される。人的分割では既存株主がKakaoAIとKakaoXの株式をともに受け取るが、分割方式そのものが企業価値や株主価値の向上を保証するわけではない。

焦点は分割の形式ではなく、その後の成果をどう示すかにある。KakaoAIとKakaoXの価値がどのように高まり、既存株主がどのような経済的利益を得られるのか。あわせて、株主還元や株主保護策をどう整備するのかを、より具体的に示す必要がある。これまで公表してきた分割の背景や期待効果の説明にとどまれば、株主の疑問解消には限界がありそうだ。

Kakaoは、12月の臨時株主総会で人的分割議案の承認を得た後、2027年1月1日に分割を完了し、同月27日にKakaoAIの再上場とKakaoXの変更上場を進める計画だ。

16日の説明会は、人的分割を巡る株主対応の最初の山場となりそうだ。

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