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欧州中央銀行(ECB)は10日、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の上昇とインフレ長期化への懸念を踏まえ、預金金利を2.5%に引き上げると発表した。

ECBが同日公表した内容によると、金融政策理事会は預金金利、主要リファイナンス金利、限界貸出金利をそれぞれ0.25ポイント引き上げる。16日から、預金金利は2.5%、主要リファイナンス金利は2.65%、限界貸出金利は2.90%を適用する。中東情勢の悪化がインフレ圧力を強め、物価上昇率は当面、目標を上回る可能性が高いと判断した。

あわせてECBは、ユーロ圏の2026年の経済成長率見通しを、6月時点の0.8%から0.9%へ引き上げた。景気は想定以上にショックへの耐性を示しているとの見方を示した。一方で、2026年の平均消費者物価上昇率は3%と見込む。2027年は2.5%、2028年は2.1%へ鈍化すると予想するものの、2%の目標水準に戻るまでにはなお時間を要するとした。

物価押し上げの主因はエネルギー価格だ。中東で船舶攻撃や供給途絶への懸念が強まるなか、ブレント原油は10日に一時1バレル=105ドルを上回り、その後107.63ドルで取引を終えた。欧州の天然ガス価格も急騰しており、冬場のエネルギーコスト上昇への警戒が強まっている。EUのガス貯蔵率は約67%と、前年同時期の80%を下回っている。

ECBは、エネルギー高が輸送費や生産コストを通じて、食品やサービス価格に波及するリスクも警戒している。クリスティーヌ・ラガルドECB総裁は「インフレが想定より長く高止まりする可能性がある」と述べた。今後の金利水準についてはあらかじめ経路を示さず、会合ごとに経済・物価指標を点検したうえで判断する方針だ。

利上げとエネルギー高は債券市場にも影響を広げている。英国の10年国債利回りは5.378%まで上昇し、2007年以降で最高水準を付けた。ドイツとフランスの国債利回りも、数年ぶりの高水準に上昇した。中東発のエネルギーショックが長引けば、欧州経済は高インフレと高金利の併存という重い負担に直面する可能性がある。

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