イタリアのソフトウェア企業Bending Spoonsが、オンラインホワイトボードツールを手掛けるMiroを13億6000万ドル(約2040億円)で買収する。取引は全額現金で行う。TechCrunchが10日(現地時間)に報じた。
今回の買収額は、Miroが2021年末時点で175億ドル超と評価されていた当時の企業価値を大きく下回る水準となる。
Miroは2011年、ホワイトボードツール「RealtimeBoard」として事業を始めた。新型コロナウイルス禍でリモートワークが広がる中、成長を加速させた。
その後は250超のアプリと連携し、Atlassian、Cisco、Microsoft、Zoomとも提携した。現在は、ホワイトボード向けAIアシスタントやAIワークフロー、プロトタイピングツールに加え、GitHub、Jira、Slackと連携するAIコネクターも提供している。
Miroは2022年までの2年間で、ユーザー数を500万人から約3000万人へ拡大し、有料顧客数も550%増加した。現在の有料ユーザーは400万人超、総ユーザー数は1億人超という。年間経常収益(ARR)は約6億ドル(約900億円)で、このうち90%を企業顧客が占める。純現金は約4億3500万ドル(約653億円)で、黒字も維持している。
一方で、成長はコロナ禍当時に比べて鈍化したとの見方もある。2022年以降は、企業が重複するアプリやライセンス支出の削減を進め、SaaS企業の評価額も大きく調整された。
Miroはコラボレーション市場でCanva、Figma、Microsoftなどと競合してきた。TechCrunchは、企業が単体のコラボレーションツールよりも、複数製品を束ねたスイート製品を選ぶ傾向も逆風になったと伝えている。
この間、Miroは人員削減も進めた。2022年時点の従業員数は約1200人だったが、2023年2月に119人、2024年10月にも275人を追加削減したと報じられている。
Bending Spoonsはこれに先立ち、2021年に110億ドル超の企業価値評価を受けていたAirtableも、12億8000万ドル(約1920億円)で買収している。