KTは9月10日、全羅南道・霊岩のHD Hyundai Samho造船所に高性能AIネットワークを構築し、AI溶接ロボットなどのフィジカルAI技術を実証すると発表した。ネットワークとAI、ロボットを連携させ、造船現場の生産性と安全性の向上につなげる狙いだ。
同社によると、同造船所では、韓国の科学技術情報通信部の「高性能AIネットワーク基盤造成事業」に関する現場点検が実施され、フィジカルAIロボットの適用案について協議した。
高性能AIネットワークは、AIを活用して通信網を高度に運用し、フィジカルAIサービスに必要な通信環境とAI演算基盤を提供する次世代ネットワークを指す。同事業は韓国の科学技術情報通信部と韓国知能情報社会振興院(NIA)が主管しており、KTは7月にSamsung Electronics、HD Hyundai Samhoなどとともに優先交渉対象者に選ばれていた。
KTは今後、同造船所に高性能AIネットワークを導入し、これを基盤にAI溶接ロボットなどのフィジカルAI技術を検証する計画だ。
導入するネットワークには、5Gスタンドアロン(SA)、ネットワークスライシング、GPUベースのAI演算基盤、AI無線アクセス網(AI-RAN)、自律型ネットワーク技術などを適用する。
現場点検では、AI適用に先立ち、既存の溶接ロボットの作業工程も確認した。現在の溶接ロボットは、作業者が搬送や突発対応を担う半自動方式で運用されているという。
AIを適用した場合は、作業中に取得するリアルタイム映像やセンサーデータを分析し、ロボットが作業状況を判断して自律的に稼働できるようになるとしている。
5G SAとネットワークスライシングは、AI溶接ロボット向けの通信リソースを他サービスと分離して提供する仕組みだ。造船所内でデータ利用量が増えても、ロボット制御に必要な通信品質を安定して確保できるとしている。
GPUベースのAI演算基盤は、ロボットに必要なAI処理を作業特性に応じて分散実行する。即時性が求められる処理はロボット本体や現場サーバで担い、大規模な分析や学習はデータセンターで実施することで、応答速度と演算効率の向上を図る。
AI-RANは、作業状況に応じてロボットに必要な通信容量とAI演算リソースを配分する役割を担う。
自律型ネットワーク技術は、ネットワークトラフィックや品質情報をリアルタイムで分析し、通信リソースを自動で最適化する。混雑や品質低下などの異常を検知し、通信品質の維持につなげる。
KTネットワーク部門・未来ネットワークラボのイ・ジョンシク専務は、「HD Hyundai Samhoとの実証を通じて高性能AIネットワークの技術力を検証し、産業現場の生産性と安全性を高めるAIインフラの実現に貢献したい」とコメントした。