ドイツで、暗号資産を1年以上保有した場合に売却益を非課税とする現行ルールの見直しが浮上した。連邦財務省は、保有期間にかかわらず売却益に25%を課す法案草案をまとめており、長期保有を後押ししてきた税制優遇が転換点を迎える可能性がある。
Cointelegraphが9日(現地時間)に報じたところによると、Die WeltとHandelsblattが確認した文書では、新制度は2027年1月1日以降に取得したビットコインやイーサリアムなどの暗号資産を対象とする想定だ。
現在のドイツでは、個人が取得した暗号資産を1年超保有した後に売却した場合、その利益は原則として非課税となる。一方、取得から1年以内の売却益は個人所得税の課税対象だ。新制度が導入されれば、暗号資産も株式など他の資本所得と同様、25%の一律課税となり、「1年以上保有で非課税」という扱いはなくなる。
もっとも、既存の保有者には経過措置を設ける方向だ。今年12月31日までに取得した暗号資産には現行税制を維持し、1年以上保有した場合の非課税メリットを引き続き認める。加えて、取引所や暗号資産サービス事業者による源泉徴収の仕組みは、システム整備に時間を要することを踏まえ、2028年1月の開始を想定している。
連邦財務省は制度改正により、2028年に約1億6000万ユーロ(約240億円)の追加税収を見込む。その後は年間約3億5000万ユーロ(約525億円)に達するとの試算を示した。ラルス・クリングバイル財務相は7月、暗号資産による所得について、他の投資所得と同様に課税すべきだとの考えを改めて示していた。
ただ、今回の文書は政府内の初期調整段階にある。今後、閣議決定や連邦議会での審議を経る過程で、税率や適用時期などが修正される可能性がある。