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米上院は15日、暗号資産の市場構造法案「Clarity Act」の終結動議を採決する。ここで審議入りに必要な60票を確保できなければ、年内成立は大きく遠のき、2027年発足の新議会で法案の全面的な組み直しを迫られるか、事実上の廃案となる可能性が高まる。

Cointelegraphが9日付で報じたところによると、米上院は5週間の休会を経て14日に議会日程を再開する。共和党上院院内総務のジョン・スーン氏は、翌15日にClarity Actの終結動議を採決する予定だ。審議入りには5分の3に当たる60票が必要で、共和党票に加え、一部民主党議員の賛成が欠かせない。

今回の採決で60票に届かなければ、年内に残された立法日程はさらに厳しくなる。2027年に新議会が発足するまで、上院で実質審議に充てられる日数は36日も残っていないとの見方が出ている。

大きな変数となるのが11月の中間選挙だ。選挙結果次第では、2027年以降の議会勢力図が変わる可能性がある。足元では共和党が上院、下院、ホワイトハウスを握っている一方で、中間選挙では民主党が下院の多数を奪還する可能性が取り沙汰されている。上院についても、民主党が多数党に返り咲く可能性を巡って見方が分かれている。

共和党は2024年選挙後、上下両院とホワイトハウスを掌握し、暗号資産業界に友好的な法案を進めやすい環境を整えた。ステーブルコイン規制法案「Genius Act」も、こうした政治状況の下で進んだ。ただ、来年以降に議会勢力が変われば、Clarity Actも民主党の要求を反映した修正を迫られる可能性がある。

Clarity Actの有力な支持者として知られる共和党上院議員のシンシア・ルミス氏は6日、今会期中に法案を前に進められなければ、「次の本格的な機会」は2030年まで訪れない恐れがあると警告した。ルミス氏は2026年の改選で再選を目指さない。

法案を巡る動きは選挙戦とも連動している。暗号資産業界が支援する政治活動委員会(PAC)「Fairshake」は、親暗号資産の候補者を後押ししている。CoinbaseやRipple LabsなどがFairshakeを支援しており、業界はClarity ActやGenius Actに賛成した現職議員を支援する一方、デジタル資産に批判的な候補者を標的にした広告も展開している。

イリノイ州副知事のジュリアナ・ストラットン氏は3月、民主党上院議員候補の予備選で、業界資金が投じられた攻撃広告の対象となったものの、勝利した。

また、マサチューセッツ州第4選挙区の民主党予備選に出馬したジェイソン・プーロス氏は、下院議員のジェイク・オーチンクロス氏がClarity Actに賛成したことを挙げ、暗号資産業界が同氏の再選を強力に支援する理由だと主張した。Fairshakeと連携するPACは、オーチンクロス氏を支援する広告に約18万9000ドルを投じた。

もっとも、中間選挙の結果にかかわらず、ホワイトハウスの共和党支配は2029年1月まで続く。仮に民主党が議会の一院、あるいは両院を握っても、大統領は民主党主導の暗号資産法案に拒否権を行使できる。これを覆すには、上下両院で3分の2以上の賛成が必要となる。

規制当局を通じた政策推進が続く可能性もある。米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス委員長と、米商品先物取引委員会(CFTC)のマイケル・セリグ委員長は、議会が年内にClarity Actを成立させられなくても、デジタル資産関連の規制整備は引き続き進められるとの立場を示してきた。アトキンス氏は先月、議会がClarity Actを大統領に送付する必要があるとしつつ、SECとして独自のデジタル資産規制作業を継続すると述べた。

このため、15日の採決はClarity Actの最終可決を直接決めるものではないものの、上院本会議での本格審議に進めるかどうかを左右する最初の関門となる。否決された場合、法案は残る会期中にあらためて採決日程を組む必要があり、中間選挙後に政治情勢が変われば、審議が長期停滞に陥る可能性もある。

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