米財務省は最大60億ドル規模の長期国債買い戻しを実施する。写真=Shutterstock

米財務省は、長期国債市場の流動性を確保するため、最大60億ドル(約9000億円)規模の国債買い戻しを実施する。長期金利の上昇が続くなかで買い戻し枠を平時より大幅に広げるが、市場では効果を見極める姿勢が強い。

9日付のCryptopolitanによると、財務省は10日午後1時40分〜2時(米東部時間)に、残存期間が10〜20年の既発名目国債を最大60億ドル買い戻す。10〜20年帯の1回当たりの買い戻し上限は従来20億ドル(約3000億円)で、今回はその3倍に当たる。

財務省は先月19日、長期年限の流動性を高める目的で、10〜20年債と20〜30年債の買い戻し規模を1回当たり最低40億ドル(約6000億円)へ引き上げると公表していた。従来水準の2倍超で、今回の60億ドルはこの方針公表後では初の大規模な長期債買い戻しとなる。

11月初めまでは、その後の長期債買い戻しも1回当たり最低40億ドル規模で続ける予定だ。

もっとも、発表後も国債利回りの上昇は止まらなかった。10年債利回りは取引時間中に4.85%前後まで上昇し、2023年以降の高水準に接近。20年債と30年債の利回りも5%を上回った。

市場では、今回の対応が一部投資家の想定していた80億〜100億ドル(約1兆2000億〜1兆5000億円)規模には届かなかったとの受け止めが出ている。

長期金利の上昇圧力の背景には、40兆ドル(約6000兆円)を超えた連邦債務に加え、国債発行の増加やインフレ懸念がある。中東情勢の緊迫化を受け、ブレント原油先物は9日に1バレル=100ドル(約1万5000円)を上回った。

米国の7月の消費者物価上昇率は前年同月比3.4%で、このうちエネルギー価格は14.7%上昇した。

財務省は今回の措置について、量的緩和ではなく市場流動性の管理が目的だと強調している。一方、スタンリー・ドラッケンミラー(Stanley Druckenmiller)氏ら一部投資家は、政府が一定の金利水準を守るとの見方が広がれば、より大きな介入を迫られかねないと批判した。

買い戻し拡大が長期金利の上昇を抑えられるかどうかは、今後の国債需要や物価動向に左右されるとの見方が出ている。

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