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2027年のデジタル資産課税の施行を控え、譲渡益や貸与益を一律に「その他所得」に分類する現行の枠組みを見直すべきだとの声が出ている。売買やマイニング、ステーキングといった取引の実態に応じて所得区分を整理するとともに、国内外の取引所と個人ウォレットの取引情報を連携できる課税インフラの整備を先行させる必要があるという見方だ。

金融当局は、トークン証券(STO)の対象を小口投資にとどめず、株式や債券、ファンドなどにも広げる方針だ。2027年2月の制度施行に合わせ、機関投資家向けの私募ファンドや社債、非上場株式などから段階的にトークン化を進める。

これを受け、国内証券各社も小口投資向けの口座管理にとどまらず、債券やファンドなど既存の金融商品の発行インフラまでSTO事業の領域を広げている。

米国では、クラリティ法を巡る審議日程が市場の関心を集めている。米下院共和党が9月中旬に予定していた会期終盤の2週間を取りやめたことで、9月14日の再開後、短期間で審議日程をこなさなければならない状況となった。上院では9月15日に最初の手続き採決を控えており、上下両院が順次法案を処理する余地は大きく狭まった。

こうした中、フレンチ・ヒル下院議員は、中間選挙前の成立には民主・共和両党の協力が欠かせないと述べ、法案草案の相違は縮小してきたとの認識を示した。一方で、政府高官による暗号資産の宣伝や収益化を禁じる倫理条項を巡っては、民主党が追加修正を求めており、終盤の争点として残っている。シンシア・ルミス上院デジタル資産小委員長は、今会期を逃せば「次の本格的な機会は2030年になる」と警戒感を示した。

ポール・アトキンスSEC委員長も、9月15日に上院で採決に付されるとの見通しを示し、上院通過と大統領署名に期待を表明した。「ブロックチェーンと暗号資産の時代に合わせてルールを近代化している」と説明し、法案成立が米国を「世界の暗号資産の首都」に押し上げる可能性があると強調した。ただ、顧客収益の支払い権限や投資家保護を巡る利害対立に加え、倫理条項の修正要求は引き続き立法の重荷となりそうだ。

相場面では、ビットコインが再び8万1000ドル台を回復した。9月4日は前日比5.53%高の8万1437ドル(約1221万円)となり、9月相場の調整観測を打ち消した。イーサリアムは5.27%、XRPは9.19%、ドージコインは10.12%それぞれ上昇した。利上げ観測の後退でリスク資産全般に買いが入ったことに加え、ISMサービスPMIが市場予想の54.3を上回る55.4となり、景気拡大への期待が強まったことが支えとなった。8月25日の抵抗線だった8万1455ドルを終値で明確に上抜ければ、5月高値の8万2814ドルを経て、8万5000〜9万ドルのレンジが視野に入るとの見方も出ている。

値動きの背後では、市場構造の変化を示す指標もみられる。資産運用会社Bitwiseによると、ビットコインと金の90日ローリング相関係数は0.5を上回り、2020年以降で最も高い水準となった。一方、NASDAQ100との相関は約1年ぶりの低水準に低下し、ドル指数とは逆相関を維持した。8月の米国債利回り上昇局面で、ビットコインが1週間で22.4%上昇する一方、株式は下落しており、株式との連動性が薄れていることを示す材料と受け止められている。

アナリストのウィリー・ウーは、4年ごとの半減期サイクルの影響が薄れているとみる。2024年の半減期後、年間の新規発行量は流通量の0.82%に当たる16万4250BTCまで減少した一方、上場企業100社の保有分120万BTCと、世界の現物ETFによる150万BTC超の保有を合計した機関投資家の保有量は270万BTCに達し、年間採掘量の16倍に相当するという。相場は半減期よりも、信用環境や世界的な流動性に左右される局面へ移りつつあるとの分析だ。

日本では、金利と規制の2つの変数が同時に動いた。30年国債の落札利回りは8月6日の3.937%から4.079%に上昇し、Metaplanetが発行したビットボンド(クーポン4.0〜4.3%)の調達負担は重くなった。3年国債比では214〜244bp高い水準で、1000億円規模のプログラムでは、金利が1ポイント上昇するごとに年間の利払い費が10億円増える構造となる。

規制面では、日本が7月15日に暗号資産を金融商品取引法(FIEA)の枠組みに移し、暗号資産ETF導入に向けた法的基盤を整えた。日本暗号資産取引業協会が昨年11月にグリーンリストへ追加したシバイヌは、利用者2300万人を抱えるメルカリでの取り扱い開始(6月)も追い風となり、ETFの対象候補として先行しているとの見方がある。ただ、東京証券取引所で暗号資産ETFが実際に上場するのは早くても2027年とされ、先行するのはビットコインになる可能性が高い。

オンチェーンでは、初期のビットコイン採掘ウォレットの動きも確認された。2010年3月に採掘され、16年半にわたって動きのなかった7つのウォレットが再び稼働し、それぞれ50BTC、合計350BTCを移動した。現在の価格で約2800万ドル(約42億円)に相当する。ビットコインネットワーク立ち上げから15カ月以内に採掘された分で象徴性は大きいが、取引所など流動性の受け皿に移されたわけではないため、直ちに短期的な売り圧力とみるのは早計だとの見方もある。

一方、ソラナでは、直近30日間の実物連動資産(RWA)の純流入額が3億4800万ドル(約522億円)となり、RWAの総価値は42億3000万ドル(約6345億円)に達した。保有者数は39万8644人で、30日間で17.63%増加し、主要ネットワークの中で首位に立った。CircleのUSYCやBlackRockのBUIDLといったトークン化国債商品を基盤に、機関投資家マネーを呼び込んでいるとの分析が出ている。

材料は多岐にわたるものの、資金の流れには一定の方向感がみられる。採掘関連株の急騰やStrategy、Striveの買い戻し、ビットコインと金の相関上昇はいずれも、ビットコインがリスク資産から代替資産へと再評価されつつあることを示すシグナルといえる。9月15日の上院での手続き採決と次回FOMCは、暗号資産相場の次の方向性を見極める重要な節目となりそうだ。

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