米ビットコイン運用サービス企業のCastleは、Strategyが発行する優先株「STRC」の配当を使い、ビットコインを自動購入できる機能の提供を始めた。利用者は、配当を全額現金で受け取るか、全額をビットコイン購入に充てるか、あるいは両者を任意の比率で配分するかを選べる。
ブロックチェーンメディアのCoinpostが9日付で伝えた。配当そのものは従来通りStrategyが現金で支払う仕組みで、Castleが利用者の指定に応じてビットコイン購入を実行する。
対象となるSTRCは、Strategyが発行する変動金利型の優先株。額面は100ドルで、満期は設けていない。配当による現金収入を主な目的とする商品で、優先株のため普通株より配当支払いの順位が先になる一方、一般に議決権は持たない。
今回の機能では、配当受け取り後に別の口座へ資金を移すことなく、あらかじめ指定した比率に応じてビットコインを購入できる。設定した配分は、利用者が変更しない限り次回以降の配当にも継続して適用される。
もっとも、STRC自体の条件が変わるわけではない。配当はあくまで現金で支払われ、STRCがビットコイン建てで配当を支払う証券になるわけでもない。Castleは、利用者の指定に沿って配当金の一部または全部でビットコインを購入するだけだとしている。
利用者の間では、現金とビットコインを組み合わせる配分を選ぶケースが多いという。現金分を生活費などに充てつつ、残りを取引所や証券口座へ別途送金せずにビットコイン購入へ回せる点が理由とみられる。
配当条件も注目点だ。Strategyは、2026年9月以降の権利確定日に適用するSTRCの年配当率を、額面100ドルに対して12%とすると発表している。ただし固定ではなく、毎月見直される変動金利で、利回りを保証するものではない。
配当の支払い頻度はすでに変更されている。Strategyは6月、株主承認を経て配当の支払いを月2回に切り替え、6月30日時点の保有分に対する7月15日支払い分から適用した。Castleの自動購入機能もこの日程に連動して動く。
これによりSTRC保有者は、半月ごとに受け取る現金配当の一部を生活資金に充てながら、残額を継続的なビットコイン購入に振り向けることができる。配当を原資にビットコイン取得を自動化する仕組みとして、Strategy関連の投資需要とビットコインの蓄積需要をつなぐ狙いがあるとみられる。
一方で、実際の配当は現金で支払われ、ビットコイン購入はその後にCastle側で実行される。投資家にとっては、この機能の利便性に加え、STRCの配当条件や変動金利の仕組みをあわせて確認する必要がある。