英国内でデータセンターの認知は広がっているものの、その役割への理解はなお十分でなく、電力消費を巡る懸念も強まっていることが分かった。AIの普及でインフラとしての重要性が高まる一方、社会的な受け止めにはなお隔たりがある。
TechRadarが8日(現地時間)に報じたところによると、データセンター事業を手掛けるTelehouseの調査で、英国の回答者の52%が「データセンターという言葉を知っている」と答えた。2024年の40%から12ポイント上昇した。
一方で、59%はデータセンターが何をする施設なのか、どのような役割を担っているのかを十分に理解していないと回答した。認知度が上がっても、実際の機能や必要性に対する理解は追いついていない実態が浮かんだ。
データセンターに対するイメージも悪化している。家庭や職場で使うデジタルサービスに良い影響を与えているとみる回答は、2年前の48%から今年は37%に低下した。
これに対し、悪影響があるとみる回答は同じ期間に4%から15%へ上昇した。
最大の懸念として挙がったのは電力消費だ。回答者の56%が、データセンターが消費する膨大な電力量を不安視した。AIサービスの拡大に伴って大規模データセンターの建設が増え、電力網への負荷や環境面への影響が社会的な論点になっていることが背景にあるとみられる。
英国政府は2024年、データセンターをエネルギーや水道などと並ぶ国家重要インフラ(CNI)に指定した。サイバー攻撃や停電などの事態に備え、政府による保護を強化する狙いがある。
当時、ピーター・カイル技術相はデータセンターについて、「現代生活のエンジン」だと強調していた。
Telehouseで欧州統括を務めるマーク・ペストリッジ氏は、業界としてデータセンターの必要性や社会的価値を、より透明性高く説明する必要があると指摘した。AIの利用が急増する一方で、それを支える物理インフラへの理解が進まなければ、データセンターを巡る地域社会の反発や監視が一段と強まる可能性があるとしている。