Engadgetは8日(現地時間)、Nintendo Switch 2とSteam Deckの比較記事を掲載し、Switch 2は携帯モードではSteam Deckと近い描画性能を持つ一方、ドック接続時には性能差が大きく開くと伝えた。価格面ではSwitch 2が優位で、ディスプレイ品質やゲーム購入費ではSteam Deckに分があるという。
記事によると、両機の違いは単純なハードウェア性能だけではない。ドック接続の有無に加え、ゲーム側の最適化、価格、利用できるゲームエコシステムまで含めて差が表れるとしている。
グラフィックス性能を見ると、Switch 2の携帯モード時のGPU性能は約1.71TFLOPSで、Steam Deckの1.6TFLOPSとほぼ同水準だ。ただ、Switch 2はドック接続時に最大3.7TFLOPSまで引き上がる点が大きい。
この差は高解像度でのゲームプレイで強みになる。Switch 2は一部タイトルで4K出力に対応しており、Engadgetはドック接続時の4Kプレイを主要な利点の1つに挙げた。
Switch 2は、NVIDIAのAmpereアーキテクチャをベースにしたGPUを採用する。低い内部解像度で描画した映像をDLSSで高精細化する仕組みにも対応する。
具体例としては、「Metroid Prime 4」が4K/60fpsで動作可能とされ、「Cyberpunk 2077」もドック接続時に1080p出力に対応すると紹介された。1500基超のCUDAコアを備え、「Star Wars Outlaws」など一部タイトルではレイトレーシング処理も可能だとしている。
一方、Steam Deckはドックに接続してもグラフィックス性能自体は向上しない。AMDのRDNA 2ベースGPUを搭載し、「Elden Ring」を720p/30fps程度で動かせる性能と説明された。
レイトレーシングには対応するものの、専用のCUDAコアを持たない構成のため、有効にすると性能低下が大きいとの見方も示された。
CPUとメモリでは、Steam Deckが相対的に優勢とされた。Steam DeckはAMD Zen2ベースの4コアCPUを搭載し、最大3.5GHzで動作する。
これに対しSwitch 2は、ARM Cortex-A78Cベースの8コアCPUを採用するが、一般的な動作クロックは約1.1GHzとされた。ただし、より新しいアーキテクチャに基づくため、低クロックでもSteam Deckと競合できる性能水準にあると評価している。メモリ容量はSteam Deckが16GBの統合メモリ、Switch 2が12GBだ。
実際のゲーム体験では、スペック以上に最適化の差が重要になる。Switch 2は固定仕様のハードウェアで、開発側が特定の性能に合わせて最適化しやすい。
Steam Deckもハード構成は固定されているが、前提となるのはPCゲームのエコシステムだ。最新タイトルでは、安定したフレームレートを確保するために描画設定を下げる必要があるケースが少なくない。Steamの「Steam Deck Verified」は、大きな設定変更なしで快適に動作するかどうかを判断する目安として使われている。
価格面ではSwitch 2が有利だ。Steam Deckは最大300ドルの値上げ後、512GB OLEDモデルが789ドル、1TBモデルが949ドルで販売されている。これに対し、Switch 2は499ドルで、ハード単体の価格では割安感がある。日本円換算では789ドルが約11万8350円、949ドルが約14万2350円、499ドルが約7万4850円となる。
ただし、ゲームソフトの購入費まで含めると見え方は変わる。Steamでは大規模セールが定期的に実施されており、Steam Deckユーザーは比較的低コストでライブラリを拡充しやすい。
任天堂eショップでもセールは行われるが、主力の独占タイトルは値下げ幅が相対的に小さい。記事執筆時点では「Mario Kart World」が79ドルで販売されていた。日本円では約1万1850円だ。
使い方の違いも選択を左右する。Switch 2は本体をドックに接続するだけでテレビ表示に切り替えられ、リビングでの据え置きプレイと携帯プレイを行き来しやすいハイブリッド機としての強みがある。
Steam Deckも、別売りの79ドルのドックを使えば大画面に接続できる。ただ、ホーム画面の操作性やテレビ接続の手軽さでは、Switch 2の方が直感的だと評価された。79ドルは約1万1850円に相当する。
純粋な携帯機として見た場合は、Steam DeckのOLEDディスプレイが強みになる。現行のSteam DeckはOLEDモデルを用意している一方、Switch 2はより大きな1080pディスプレイを搭載するものの、パネルはLCDだ。
色再現やコントラストといった表示品質では、Steam DeckのOLEDが優位とされた。
最終的には、絶対的な性能よりも、どのような遊び方を重視するかが選択の分かれ目になる。任天堂の独占タイトルを楽しみつつ、テレビと携帯モードを行き来したいならSwitch 2が有力だ。
一方、旧作やインディー作品を含む幅広いPCゲームライブラリを低コストで楽しみたいなら、Steam Deckが適している。セールによるソフト価格まで踏まえれば、長期的なゲーム支出ではSteam Deckに優位性が出る可能性がある。