Kakaoは9日、動画の複雑さに応じてAIが必要なトークン数を自動で調整し、動画生成に伴う演算量を削減する適応型動画トークン化技術「KATok(Keep-or-Drop? Adaptive Tokenizer for Compact Video Representation)」を公開すると発表した。実験では、従来方式に比べて動画生成モデルの学習速度が約6.9倍、生成処理速度が約3.2倍向上したという。
同技術は、コンピュータビジョン分野の国際学会「欧州コンピュータビジョン会議(ECCV)2026」で発表される。研究を主導したイ・ヨンギョンKakaoリサーチのエンジニアが、10日(現地時間)に論文を発表する予定だ。
ECCVは、CVPR、ICCVと並ぶ主要なコンピュータビジョン国際学会の一つ。今年の会期は12日までで、スウェーデンで開催されている。
KATokは、動画内の動きや情報量に応じて、AIが演算に使うトークン数を最適化する技術だ。動きが大きい場面や情報量の多い場面には多くのトークンを割り当てる一方、静的な領域では重複するトークンを減らす。
従来の動画トークン化は、映像内容にかかわらず一定比率で一律に圧縮する方式が一般的だった。そのため、動きの少ない場面でも同程度のトークンが生成され、高解像度化や長尺化が進むほど不要なトークンも処理対象となり、演算負荷が増える課題があった。
Kakaoは、動画フレーム間の重複データを減らすことで、こうした負荷の抑制を狙った。あらかじめトークン数を指定しなくても、時空間的な複雑さに応じてAIが必要な演算量を判断する仕組みとしたという。
実験では、KATokは従来のDense Tokenizerより少ないトークン数で動画を再構成した。これを動画生成プロセス全体に適用した結果、動画生成モデルの学習速度は約6.9倍、動画生成の処理速度は約3.2倍向上した。
Kakaoは、単なるトークン圧縮にとどまらず、動画生成モデルと組み合わせることで生成プロセス全体の演算効率を高めた点に意味があると説明する。今後はKATokをさらに高度化し、より高解像度かつ長時間の動画生成環境への適用を進める方針だ。
チェ・ドンジンKakaoアプライドAIのモデル成果リーダーは「高解像度・長時間動画のように演算量が大きくなる環境では、KATokの演算削減効果はさらに大きくなる」とコメント。「多様なAI動画生成モデルで汎用性を検証し、大規模動画生成の基盤技術へ発展させたい」と述べた。