米ニューヨーク州プラッツバーグが、暗号資産マイニング施設とAIデータセンターを対象に、高消費電力施設の新規承認を一定期間停止する案を検討している。
ブロックチェーンメディアのCointelegraphによると、同市は8日(現地時間)、電力消費の大きい計算施設を対象に、新規の土地利用承認を12カ月間停止する条例案を巡って公聴会を開いた。
対象となるのは、条例案で「特定の高エネルギー・コンピューティング施設」と位置付けられた施設だ。暗号資産マイニング施設とAI関連施設が含まれ、300キロワットを超える電力を消費する施設について、12カ月間は新規承認の手続きを止める内容となっている。
ウェンデル・ヒューズ市長と市議会は住民の意見を聴取し、新規立地の承認を一時停止する方向で議論を進めた。ただ、8日時点で市長はこの案を承認していない。市議会は9月17日に追加会合を開く予定だ。
プラッツバーグは、米国でビットコインのマイニングを直接規制した自治体として早い段階の事例の一つとされる。2018年には、住民の電気料金上昇への懸念を受けてビットコイン・マイニングの禁止措置を導入しており、当時の猶予期間は18カ月だった。今回は、その対象を従来のマイニング施設からAIデータセンターにも広げる動きといえる。
こうした動きの背景には、マイニング業界の事業構造の変化もある。暗号資産マイニング企業の間では、事業環境の悪化や電力コストの上昇、トークン価格の下落を受け、事業の軸足をAIや高性能計算向けに移す動きが広がっている。自治体側でも、マイニングだけでなく、大規模な電力消費を伴う施設全体をまとめて管理しようとする姿勢が強まりつつある。
現時点で、市場の反応や資金流入に目立った変化は確認されていない。ただ、今回の事例は、暗号資産マイニングを巡る規制がAIインフラにも波及し得ることを示している。17日の追加会合で市議会がどのような判断を示すのか、また市長が最終承認に踏み切るかが次の焦点となる。