豪州の取引報告分析センター(AUSTRAC)が、資金洗浄リスクの高い決済・暗号資産分野への監督を強めている。過去1年で、送金事業者と暗号資産サービス事業者(VASP)の登録45件を取り消し・停止し、一部は更新も拒否した。
Cointelegraphの8日付報道によると、AUSTRACはこの1年、営業継続能力に欠ける事業者や、長期間にわたり稼働実態のない事業者、支払不能に陥った企業などを登録簿から除外した。重要事項の変更を届け出ていない事業者や、必要な登録を受けていない事業者、資金洗浄やテロ資金供与のリスクが高いと判断された事業者も措置の対象となった。
ブレンダン・トーマス最高経営責任者(CEO)は、登録を取り消された事業者は当該サービスを提供できなくなると説明。必要に応じて、関係先について豪州内外の捜査・規制当局と連携してきたことも明らかにした。なお、45件は暗号資産事業者だけでなく、送金事業者と暗号資産サービス事業者(VASP)を合わせた件数だという。
具体例としては、BA Digital Venturesが運営していたGetCoinsがある。AUSTRACは顧客からの苦情を受け、同事業者の資金洗浄リスク管理体制を調査した上で、6月4日にVASP登録を取り消した。当局によると、GetCoinsは組織的な暗号資産投資詐欺に悪用された疑いがあり、豪州国家反詐欺センターと連携した今回の措置が、関連活動の遮断に寄与したとしている。
このほか、暗号資産ATM事業者Cryptolinkの登録も3カ月間停止した。同社が運営する暗号資産ATM96台が対象で、高リスク取引の管理不備や義務報告の不履行などが理由として挙げられている。
規制強化の動きは決済分野全体に広がっている。AUSTRACは今月、Western Unionについても、高リスクの決済チャネルや顧客、提携先の管理上の問題を精査する別件の調査に着手した。暗号資産や国際送金は犯罪資金の移転に悪用されるリスクが高いとして、当局は今後も登録要件やマネーロンダリング対策義務を満たさない事業者を市場から排除していく方針だ。