米国の警察当局と連邦機関が、Metaのカメラ搭載スマートグラスを拘禁施設や警察施設における新たなセキュリティリスクとみて、警戒を強めている。一般的な眼鏡に近い外観で撮影に気付きにくく、施設内部の構造や警備動線が外部に漏れる恐れがあるためだ。
Decryptが8日に報じたところによると、ニューヨーク市警(NYPD)の対テロ局は1月の内部メモで、「Ray-Ban Meta」をセキュリティ上および防諜上の脅威と位置付けた。収容者の独房に持ち込まれる眼鏡について、厳格な点検を行うよう指示したという。隠し撮りされた映像によって、独房の構造や監視カメラの設置場所、警察の巡回方法や施設防護の実態が明らかになる可能性があるためだ。
実際に事例も起きている。昨年7月には、連邦当局の安全性調査を受けていたサウスカロライナ州の拘禁施設内を、スマートグラスで撮影した動画がTikTokに投稿された。動画には独房やシャワー、食事スペースに加え、撮影に気付いていないとみられる収容者の姿も含まれていた。
同様の警告は、国土安全保障省(DHS)の共同対テロ評価チームや、メイン州、ニューヨーク州、バージニア州、テネシー州、サンディエゴなどのフュージョンセンターにも広がっている。メイン州のフュージョンセンターは、一部のスマートグラスがAIや顔認証ソフトと組み合わされることで、警察官の身元が特定される恐れがあると警告した。
連邦機関は内部ルールの見直しにも乗り出した。移民・税関執行局(ICE)は8月、スマートグラスをボディカメラに準じる機器とみなし、連邦業務スペースでの着用を認めないと職員に通知した。機微情報が意図せず撮影、保存、送信される可能性があると判断したためだ。