写真=Reve AI

Binance創業者のチャンポン・ジャオ氏が、従来型の新規株式公開(IPO)は将来的にブロックチェーン上へ移行していくとの見方を示した。IPO株式をトークン化すれば、24時間の流動性確保に加え、分散型金融(DeFi)プロトコルとの接続や、世界の個人投資家マネーへの直接アクセスが可能になると訴えている。

この見解は、ブロックチェーンメディアのU.Todayが8日(現地時間)に報じたもの。ジャオ氏はその根拠として、実物資産連動(RWA)のオンチェーン基盤の拡大を挙げた。

RWA市場の総時価総額は336億ドル(約5兆400億円)。このうち、トークン化株式とETFの市場規模は約30億ドル(約4500億円)を占めるという。BinanceのbStocksプラットフォームは同分野で6億2750万ドル(約941億円)規模、シェアは21%、保有者数は98万1215人とされた。取引高の大きい銘柄としては、Circle Internet Groupが1億360万ドル(約155億円)、SpaceXが6340万ドル(約95億円)に上るという。

もっとも、トークン化株式市場の規模は、米国の伝統的な株式市場に比べればなお小さい。米国株式市場の時価総額は55兆ドル(約8250兆円)を超え、ニューヨーク証券取引所の1日平均売買代金だけでも1000億〜1500億ドル(約15兆〜22兆5000億円)に達する。

こうした見方を裏付ける動きとして、Anthropicに連動した上場前商品の取引も拡大している。Claudeの開発元であるAnthropicは、2026年10月中旬に公式ロードショーを実施する予定だ。夏の終わり時点で年換算売上高が650億ドル(約9兆7500億円)に達し、初の営業利益を計上したと伝えられたことを受け、6月以降はWeb3上で取引される上場前派生商品の価格が大きく上昇した。

Binanceでは、Anthropic連動の無期限先物「ANTHROPICUSDT」が2012.50USDTで取引され、1日の取引高は2110万ドル(約32億円)を記録した。価格は7月に1300USDTまで下落した後、下げを埋めて高値を更新した。

分散型取引所(DEX)のHyperliquidでも、「ANTH-USDC」契約が2157.3ドルで取引され、24時間で7.78%上昇した。建玉(未決済ポジション)は2250万ドル(約34億円)、1日売買代金は1590万ドル(約24億円)だった。両市場の価格水準を基に換算すると、市場が織り込むAnthropicの想定企業価値は約2兆ドル(約300兆円)規模になるという。

ただ、こうした商品を伝統的な金融市場と結び付けるうえでは、法的な性格を巡る課題が残る。取引所側は上場前派生商品について、価格見通しに基づく「純粋な合成契約」だと明記している。実際の株式発行体と直接連動するものではなく、満期前に投資家へ議決権が付与されるわけでもない。

上場前派生商品の取引は上場日に自動終了し、伝統的な取引所で形成される実際の初値を基準に決済される。公式IPOを約1カ月後に控えるなか、BinanceとHyperliquidで数千万ドル規模の取引が24時間行われていることは、従来型IPOとブロックチェーン市場の境目が徐々にあいまいになりつつあることを示している。

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