Bitmine Immersion TechnologiesがEthereumを買い増し、保有量は総供給量の4.9%に達した。Fundstrat共同創業者でBitmine取締役会長のトム・リー氏は、資産のトークン化とエージェント型AIの普及を追い風に、Ethereumが今後数年にわたってBitcoinを上回る可能性があるとの見方を示している。
8日付のCryptopolitanなど海外メディアによると、リー氏はEthereumを単なる売買対象の暗号資産ではなく、機関投資家向け金融のインフラと位置付けた。米国債や株式、不動産などの実物資産をブロックチェーン上で扱う資産のトークン化を、Ethereum成長の中核要因に挙げた。
Ethereumネットワーク上では現在、120億ドルを超えるトークン化米国債商品が展開されているという。リー氏は、Ethereumが投機的な資産の枠を超え、決済や担保を支える金融インフラとして定着しつつあると説明した。
成長ドライバーとして、エージェント型AIにも言及した。自律的に動作するAIシステムは将来的に、自ら資金を移動させ、取引を決済する必要があるとし、その役割をEthereumのスマートコントラクトが担い、ネットワーク自体が取引記録の基盤として機能するとの考えを示した。
リー氏はさらに、開発者、アプリケーション、流動性が集積するエコシステムをすでに築いている点で、Ethereumは基軸通貨としての米ドルに近い立ち位置にあると指摘した。今後5年以内に、米ドルと同等の地位を得る可能性があるとの見通しも示している。
BitmineのEthereum保有量は593万ETH規模に拡大した。7日時点の保有量は592万9198ETHで、1ETH当たり2495ドルで換算すると約148億ドルに相当する。総供給量1億2200万ETHの4.9%に当たり、同社は「Ethereumを5%保有する」とする目標の97%を達成したと明らかにした。
今回の追加購入分は2万8086ETHで、前週の5万3501ETHは下回った。ただ、同社によると、2025年6月30日にEthereumを軸とするTreasury戦略を始めて以降、毎週買い増しを続けているという。
保有するEthereumのうち、506万7309ETH(約85%)は、BitmineのMAVANプラットフォームとステーキングパートナーを通じてステーキングされている。Bitmineは7日、年率換算利回り2.61%を前提に、年間のステーキング収益が3億3000万ドルに達するとの見通しを示した。
Ethereum以外の保有資産には、Bitcoin 211BTC、Beast Industriesの保有持分1億8000万ドル、Eightco Holdingsの保有持分9100万ドル、現金および市場性証券5億9300万ドルなどがある。これらを含む暗号資産、現金、その他投資資産の合計は157億ドルとしている。
市場では、Ethereumが実際に対Bitcoinで優位を維持できるかが焦点となっている。リー氏は、ETH/BTC比率が0.02994まで持ち直した一方、2021年に記録した約0.08にはなお大きく及ばないと指摘した。その上で、Bitcoinが15万ドルまで上昇し、ETH/BTC比率が0.04まで高まれば、Ethereum価格は6000ドルに達する可能性があるとした。
また、9月4日までの第3四半期(ベース)で、EthereumはS&P500を5430bp上回るパフォーマンスを示したとも説明した。6月30日以降に好調だった資産としては、ETH、Bitcoin(BTC)、Solana(SOL)を挙げた。Demark Analytics創業者でBitmineのアドバイザーを務めるトム・デマーク氏も、Ethereumは8月を通じて下落せず横ばい圏を維持したとし、今後数週間で大幅高となる可能性を示唆した。
もっとも、市場の値動きはこうした強気シナリオに追随していない。Ethereumは8日、2471.92ドルで取引され、前日比1.39%安だった。Bitmine株も5日に24.97ドルで取引を終え、5.6%下落した。