昨年6月、国会で施政演説するイ・ジェミョン大統領。写真=大統領府

半導体輸出の急拡大を追い風に税収が大きく伸び、2027年度予算案の規模が大幅に膨らんだ。増収分は半導体やAI分野に重点配分される一方、税制優遇やインフラ国費支援、週52時間制の例外を巡って、9月の定期国会で与野党の攻防が本格化する見通しだ。

政府が1日の閣議で議決した2027年度予算案によると、歳出総額は820兆9000億ウォン(約90兆2990億円)と、2026年度当初予算比で12.8%増えた。現政権が編成を主導した初の本予算となる。

歳入総額は880兆8000億ウォン(約96兆8880億円)で、30.4%増を見込む。国税収入は390兆2000億ウォン(約42兆9220億円)から584兆4000億ウォン(約64兆2840億円)へ194兆2000億ウォン(約21兆3620億円)増える見通しだ。企画財政部は、半導体市況の改善に伴う法人税と所得税の増加を主因に挙げている。

税収増を支えたのは半導体輸出だ。産業通商資源部によると、今年8月までの半導体輸出額は2812億ドルで、総輸出に占める比率は40.6%に達した。前年同期の約2.7倍という。

こうした増収を背景に、政府は半導体・AI支援予算を大幅に積み増した。半導体、フィジカルAI、AIデータセンターを束ねた「3大メガプロジェクト+AI」関連予算は、10兆8000億ウォン(約1兆1880億円)から21兆3000億ウォン(約2兆3430億円)へ97.2%増えた。

半導体支援財源を別枠で管理する「半導体特別会計」も2027年に新設する。規模は2兆6000億ウォン(約2860億円)で、このうち2兆1000億ウォン(約2310億円)を産業通商資源部が所管する。

産業通商資源部の予算案も13兆2573億ウォン(約1兆4583億円)と前年比40.5%増となり、エネルギー分野を含めた同省発足以来で最大規模となった。

◆税額控除、インフラ、週52時間制の例外が主要論点

増額分の重点配分先は、地方の半導体クラスターとインフラ整備だ。産業通商資源部は、西南圏の半導体クラスター造成に1兆5000億ウォン(約1650億円)を新規計上した。これは同省所管の半導体特別会計の71%に相当し、今回の予算案で最大の新規事業となる。

首都圏では、竜仁・平沢のファブ早期稼働に向けた基盤施設整備に1000億ウォン(約110億円)を投じる。一方、半導体の研究開発(R&D)予算は5兆2155億ウォン(約5737億円)から4兆9440億ウォン(約5438億円)へ5.2%減った。支援の軸足が技術開発から生産基盤や立地インフラの整備へ移った形だ。

税制面での新たな争点は「国内生産税額控除」だ。いわゆるKチップス法として知られる半導体の設備・R&D投資に対する税額控除は昨年2月に国会を通過し、大企業向け控除率は20%に引き上げられた。半導体R&Dに対する税額控除の適用期間も7年延長された。

今回の税制改正案はこれに加え、太陽光、二次電池、半導体、核心素材、AIロボット部品など6大分野について、国内で生産・販売した場合に生産量に応じて税額を控除する制度を2036年まで導入する内容を盛り込んだ。投資段階に偏っていた支援を、生産段階へ広げる狙いがある。

竜仁メガクラスターのインフラに対する国費支援も争点となる。政府・与党は、電力網や用水など必須インフラの整備費に対する国費補助率を大幅に引き上げ、クラスターの早期稼働を後押ししたい考えだ。

これに対し、野党と財政当局は、収益を上げる大企業の製造ライン向けインフラまで国費で支援するのは、一般製造業や地方産業団地との公平性を欠くとみている。湖南・東海岸から竜仁へ電力を引き込む送電網の建設費や地域補償も、審査過程での対立点となる見通しだ。

こうした財政支援と規制緩和を一体で扱う「メガ特区特別法」も、定期国会の重要法案に位置付けられている。財政・金融・税制・インフラをパッケージで支援し、許認可や環境影響評価の手続きを短縮する内容で、共に民主党は最優先法案として推進している。

キム・ミンソク共に民主党代表は7日の院内交渉団体代表演説で、3大メガプロジェクトについて「湖南から忠清、嶺南へ広がる地域活性化」と位置付け、法案成立に意欲を示した。

法案を巡る最大の論点は、週52時間制の例外、いわゆるホワイトカラー・イグゼンプションだ。労働者が同意した場合、所得上位3%の管理職や研究開発人材には週52時間の上限を適用せず、時間外・深夜・休日手当の代わりに別途手当を支給する仕組みとしている。

産業通商資源部は、チップ設計や工程開発では集中的な労働投入が必要だとして導入に前向きだ。一方、雇用労働部と労働界は長時間労働につながるとして慎重姿勢を崩していない。大統領府も「労働界と地域の同意が前提」との立場で、慎重に検討しているという。

共に民主党は、委員長が国民の力所属の産業通商資源中小ベンチャー企業委員会ではなく、政務委員会で議員立法として法案を提出し、今月中の処理を急ぐ方針だ。

半導体支援の恒常的な制度基盤はすでに整いつつある。先月11日に施行された「半導体産業競争力強化および支援に関する特別法」には、大統領直属の特別委員会、5年単位の基本計画、2036年まで運用する半導体特別会計の法的根拠が盛り込まれた。今回の定期国会での予算・税制論議は、この枠組みにどこまで資金を積み増し、どの条件で配分するかを決める段階に当たる。

もっとも、こうした議論は好調な税収に支えられている面が大きい。予算政策処は、今回の成長が税収拡大と政府債務比率の低下につながり、財政負担を和らげるとみている。

ただ、成長の恩恵は一部の輸出企業に集中しており、その効果が経済全体に波及するには時間と政策支援が必要だとも指摘した。半導体が生み出した税収を再び半導体へ振り向ける構図の中で、与野党が支援規模と配分でどこまで歩み寄れるかが、定期国会の焦点となる。

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