資産運用会社のStriveが、優先株「SATA」の発行で調達した資金をもとに、9営業日連続でビットコインを買い増している。企業によるビットコイン需要が鈍化するなかで数少ない継続的な買い手となっており、同社の資金調達モデルが持続するかどうかに市場の関心が集まっている。
ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが9月2日(現地時間)に報じたところによると、Striveは直近の取引日だった1日に104BTCを追加購入した。
企業のビットコイン購入は足元で減速傾向にある。これまで需要を支えてきたビットコイン財務戦略を採る企業の買いが細るなか、Striveの連続購入が目立っている。
BitcoinTreasuries.netのダッシュボードによると、ビットコイン価格は約7万7100ドル。これに対し、Striveが8月24日から28日にかけて執行した購入分の平均取得単価は、手数料などを含めて7万9431ドルだった。
Striveはここ数週間、購入ペースを引き上げている。8月31日付の開示では、同社が8月24〜28日に1800BTCを取得し、保有量が2万1356BTCから2万3156BTCに増えたことを明らかにした。
投じた資金は約1億4300万ドル。これにより、同社のビットコイン保有量は上場企業の中で5位水準となった。
資金調達の中核を担うのがSATAだ。SATAは普通株「ASST」とともにナスダックに上場している。Striveは5月、SATAについて、6月16日から毎営業日に配当を支払い、年率配当は13.00%になると公表していた。
当時、マット・コールCEOはSATAについて、「毎営業日に現金配当を支払う米国上場証券として初めての事例」と説明し、「真の『ゼロ・トゥ・ワン』のイノベーションだ」と述べていた。
もっとも、この仕組みが継続的に機能するかどうかはなお不透明だ。Glassnodeは8月27日付のレポートで、7月に入って企業の財務戦略に基づくビットコイン購入が減少する一方、上場投資信託(ETF)への資金流入は回復したと指摘した。
ETFフローは7月初めのマイナス7万400BTCから月末には5400BTCへと改善した。一方、企業のビットコイン財務ビークルの保有量は2300BTCから7600BTCの水準で集計された。
市場環境も楽観できない。Galaxy Researchは、株価プレミアムが大きく縮小した場合、新株発行に伴う希薄化圧力が強まる可能性があると警告した。NYDIGのアナリスト、グレッグ・チポラロ氏も、この循環構造は市場の信認に依存していると分析している。
Strive自身の財務負担も軽くない。同社は第2四半期にGAAPベースで2億5760万ドルの純損失を計上した。
このうち2億3400万ドルは、ビットコインとStrategyの優先株保有資産の公正価値下落に関連する損失だった。8-K文書でも、今回の購入資金がSATAと普通株のATMプログラムを通じて調達されたことが示された。
市場が見極めようとしているのは、購入規模そのものではなく継続性だ。企業のビットコイン需要が、資本市場から継続的に資金を引き出せる一部企業に集中する流れのなか、StriveがSATAを売却してビットコインに振り向ける構造を維持できるかどうかが、今後の需要を占う材料になりそうだ。
StriveはSNSへの投稿でも、「SATA」がこの日、104ビットコインを購入できる資金を調達したと説明した。優先株を通じた資金調達によるビットコイン購入は9日連続だとしている。