完全在宅勤務者はハイブリッド勤務やフル出社より満足度が高いとする研究結果が示された(画像=ChatGPT)

米テキサス大学MDアンダーソンがんセンターとコロラド大学ボルダー校の研究チームは、医療機関職員7704人を対象に、勤務形態と満足度、職場でのつながり、離職の関係を分析した。その結果、完全在宅勤務の満足度がハイブリッド勤務やフル出社を上回った。離職率や職場でのつながりについては、勤務形態による有意な差は確認されなかった。

研究成果は国際学術誌「Frontiers in Psychology」に掲載された。対象者の内訳は、完全在宅勤務が1869人、週2〜3日出社するハイブリッド勤務が2099人、フル出社が3736人だった。

勤務満足度の平均は5点満点で、完全在宅勤務が4.22点と最も高かった。ハイブリッド勤務は4.12点、フル出社は3.89点で、3群間の差は統計的に有意だった。満足度は、「仕事に活力を感じるか」「ワークライフバランスを維持できているか」「組織や管理者が健康や生活面に配慮していると感じるか」など4項目で測定した。

在宅勤務は職場での孤立を招きやすいとの見方とは異なる傾向も示された。職場文化に関する自由記述では、前向きなつながりを示す記述の割合が完全在宅勤務者で最も高かった。ただ、群間の差は小さく、統計的な有意差はなかった。

調査から1年後の実際の離職率は、完全在宅勤務が7.8%、ハイブリッド勤務が8.3%、フル出社が8.8%だった。この点でも、勤務形態による有意な差は確認されなかった。一方で、満足度が高いほど離職の可能性が低くなる関係は統計的に確認された。

もっとも、今回の研究は単一の医療機関で実施された。在宅勤務が可能な事務・分析職と、現場対応が必要な臨床・運用職では業務負荷が異なる可能性があり、満足度も自己申告に基づいている。このため、結果をそのまま全産業に当てはめたり、在宅勤務そのものが満足度を高めると断定したりすることはできない。ただ、完全在宅勤務が従業員のつながりや定着に必ずしも不利ではない可能性を示す材料にはなるとしている。

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