韓国人工知能クラウド産業協会は2日、国家情報院が国家ネットワークセキュリティ体系(N2SF)に合わせて進める国家クラウドセキュリティ指針の改定を巡り、国内CSP各社の懸念と要望を公表した。既存の認証や投資を新制度に適切に反映し、十分な準備期間と段階的な移行措置を設けるよう求めている。
協会によると、傘下のCSP分科委員会は先月、会合を開き、今回の指針改定が国内CSPの既存投資や公共クラウド事業の環境に与える影響について業界の意見を集約した。
国内CSP各社は、データの重要度やリスク水準に応じてセキュリティ対策の適用に差を設け、公共部門でのクラウドやAIの活用を広げる政策の方向性そのものにはおおむね賛同している。一方で、新基準の導入に伴い、これまで政府の政策や既存のセキュリティ基準に沿って進めてきた投資が十分に認められなければ、追加のシステム構築や再検証の負担が生じると指摘した。
会合後に実施した書面での追加意見募集では、主に4点の要望が示された。具体的には、既存投資・認証制度と新制度の整合、セキュリティ要件の適用対象の明確化、国内外事業者に対する公平な制度適用、十分な準備期間の確保と段階的な移行策の整備だ。
業界は特に、既存のクラウドセキュリティ認証や構築・運用体制が新制度で十分に認められない場合、同一または類似項目への再投資や再検証が必要になり、企業のコスト負担やサービス切り替えに要する期間が増える可能性があると繰り返し訴えている。その上で、既存の認証結果や構築・運用体制を可能な限り認め、指針改定で変更・追加される項目を中心に検証する方式を検討すべきだと提案した。
また、指針改定に当たっては、クラウドサービスを構成するシステムごとのセキュリティ要件と適用範囲を明確に示す必要があると求めた。サーバー、ストレージ、ネットワーク、セキュリティ、仮想化といった主要なクラウドインフラに加え、GPUベースのAIインフラやAIサービス環境も視野に入れ、構成要素別のセキュリティ要件や分離・保護基準を具体化すべきだとしている。
関連基準が曖昧なままだと、公共機関、検証機関、CSPの間で解釈が分かれ、サービスの設計、構築、検証の各段階で混乱が生じかねないとの懸念も示した。
さらに業界は、クラウドセキュリティ制度が国際基準や多様なサービス運用方式を受け入れていく過程では、国内外事業者間の公平性を確保すべきだとの立場を示した。新制度は、事業者の国籍や規模ではなく、実質的なセキュリティ水準とサービスの管理・統制可能性を軸に適用すべきだとしている。
特に、既存の政府セキュリティ政策に対応するため国内CSPが進めてきたインフラ整備や認証取得への投資が、制度変更後に不利に働かないようにすべきだと強調した。セキュリティ確保に加え、制度適用の公平性と国内クラウド産業の競争力も併せて考慮する必要があるとしている。
企業側はこのほか、改定基準を現場で安定的に適用できるよう、詳細な指針を十分に示し、サービス構造や運用体制を点検するための準備期間を確保するよう求めた。詳細な適用基準が不明確なまま制度が施行されれば、CSPのサービス設計や提供準備が遅れ、追加のシステム変更やコスト負担が発生する可能性があるとみている。
このため、改定案と併せて詳細な解説や検証手順を十分に提示し、既存認証や運用体制を新制度へ円滑に引き継げる段階的な移行策を整備すべきだと提案した。
協会は今後、CSP分科委員会の追加会合に加え、参加企業ごとの個別の詳細協議も進める予定だ。