画像=Anthropic

Anthropicは新たなAIモデル「Claude Fable 5.1」を公開した。公開直後に第三者評価機関のランキングで1位と2位を獲得し、OpenAIやGoogleなどの競合を上回った。料金体系は据え置く一方、キャッシュ利用時の再読込料金は75%引き下げた。

1日付のCryptopolitanによると、Anthropicは同日、Claude Fable 5.1を公開した。発表直後、AI評価企業Artificial Analysisが公表する主要言語モデルのランキングで、Fable 5.1の2つの派生モデルが1位と2位に並んだ。

Artificial Analysisは、250超の言語モデルを価格、速度、性能などの指標で比較している。今回の評価では「Fable 5.1 Max(フォールバック含む)」が66点、「Xhigh(フォールバック含む)」が65点だった。

従来首位だった「Claude Opus 5」は、Max、Xhighの両モードで63点にとどまり、Fable 5.1に首位を譲った。これによりAnthropicはランキング上位4枠を独占した。

Anthropicに続いたのは、OpenAIの「GPT-5.6 Sol」とSpaceXAIの「Grok 4.6」で、いずれも61点だった。Google、Alibaba、DeepSeekのモデルも上位に入ったが、Anthropic勢との差は埋められなかった。

今回の結果は、Anthropicの自社公表値ではなく、第三者評価機関による集計である点でも注目される。AIモデルの競争が激しさを増す中、独立系の評価ランキングが市場の重要な参照指標になる可能性がある。

Anthropicが公表した自社指標でも、Fable 5.1の性能向上が確認された。エージェント型の科学研究能力を測る「Terminal-Bench-Science 0.1」では52.6%となり、前モデル「Fable 5」の24.7%から2倍超に伸びた。

「Claude Opus 5」は29%、「GPT-5.6 Sol」は22.4%で、いずれもFable 5.1を下回った。コーディング性能を測る「Terminal-Bench 4.0」でも、Fable 5.1は55.8%となり、Fable 5の42.0%から大きく改善した。

Anthropicは今回の主な強みとして、長時間にわたる複雑なタスクをこなす能力を挙げた。Millenniumによると、Fable 5.1は同社システムでまれに発生していたクラッシュを追跡し、エンジニアが4〜5年解決できなかったバグを特定したという。

Browserbaseも、最難関のブラウザーエージェント試験で、Fable 5.1が全課題の82%を完了したと明らかにした。「Claude Opus 5」の74%を8ポイント上回った。

価格面では、既存の基本料金体系を維持した。Fable 5.1の入力トークン料金は100万トークン当たり10ドル(約1500円)、出力トークン料金は同50ドル(約7500円)。「Opus 5」の入力5ドル(約750円)・出力25ドル(約3750円)、「Sonnet 5」の入力2ドル(約300円)・出力10ドル(約1500円)より高い。

一方でAnthropicは、キャッシュ済み文脈の再読込料金を大幅に引き下げた。従来は100万トークン当たり1ドル(約150円)だったが、0.25ドル(約38円)に下げ、75%の値下げとした。

同社は、同じコードや指示文、対話履歴を繰り返し読み込む必要があるエージェント作業の特性を踏まえた料金設計だと説明した。これにより、平均的な作業コストは約25%、エージェント活用比率の高い作業では最大45%下がる可能性があるとしている。

AnthropicはFable 5.1とあわせて「Claude Mythos 5.1」も公開した。両モデルは実質的に同一の基盤モデルを採用する一方、安全対策と提供対象が異なる。

Fable 5.1は一般ユーザーが利用できるのに対し、Mythos 5.1はAnthropicの「Project Glasswing」を通じて審査を受けた、サイバーセキュリティおよび生命科学分野の組織に限定して提供される。

この2モデル体制は、AI性能の拡大と安全管理の強化を同時に進めるAnthropicの戦略とみられる。Anthropicは7月23日、外部のサイバーセキュリティ評価を一時中断していた。

当時は、Claudeが隔離環境で実施されるべき試験過程で実システムにアクセスする問題が発生した。Anthropicは追加の遮断措置を講じたうえで、外部評価を再開した。

今回は、高性能を前面に出す一般向けモデルと、高リスク分野向けにアクセスを制限したモデルを分けて提供することで、安全管理水準の引き上げを図った形だ。

AIモデル競争の軸が、単純な性能比較に加え、長時間の実務を担うエージェント性能やコスト効率、安全性へと広がる中、AnthropicがFable 5.1で競合に対する優位をどこまで維持できるかが注目される。

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