韓国の暗号資産市場で、国内取引所のビットコイン価格が海外市場を上回る「キムチ・プレミアム」が再び確認された。海外メディアによると、韓国最大手のUpbitではBinanceに比べて約1%高い水準で推移している。
9月1日、Bitcoin MagazineやBloombergなどの報道によれば、Upbitにおけるビットコイン価格はBinanceを約1%上回った。
こうした価格差が繰り返し生じる背景には、韓国特有の市場構造がある。韓国では資本移動に関する規制や取引規制が比較的厳しく、海外市場との裁定が働きにくいため、価格差が短期間で解消されにくいとされる。
個人投資家の買いが強まる局面では、こうした傾向が一段と強まりやすい。グローバル市場ではビットコインの対ドル取引が中心なのに対し、韓国では対ウォン取引の比重が高いことも一因とみられている。
ビットコイン自体の上昇も、韓国国内での価格乖離を広げた要因として挙げられた。足元では24時間および7日ベースで大きな変動はみられないものの、価格は7万7000ドル台を上回っている。
一方で、過去1カ月では24%上昇した。
今回の上昇基調は、米財務省が8月の流動性支援を目的とした買い戻し運用規模を少なくとも2倍に拡大すると表明した後に鮮明になった。この発表はドルの下押し要因となる一方、ビットコインや金など利回りを生まない資産には追い風になったとの見方が出ている。
政策面での期待も市場心理を支えた。ドナルド・トランプ米大統領は同週、長く議論されてきた暗号資産Clarity法案を「重要な立法」と位置付け、議会に可決を促した。
業界では、デジタル資産が証券に当たるのか商品に当たるのか、また決済向けステーブルコインをどう位置付けるのかを巡り、明確なルール整備を求める声が強かった。規制の枠組みが近く整うとの期待が、暗号資産市場全体の支援材料になった。
韓国国内の投資家心理にも短期的な強気ムードが残る。予測市場のPolymarketでは、今月中にビットコインが8万2500ドルを上回る確率を59%として織り込んでいる。
一部では、これを弱気相場終了の兆しと受け止める見方もある。
もっとも、足元のキムチ・プレミアムは約1%にとどまり、2022年に記録した21.5%と比べれば限定的だ。韓国市場の過熱を示すというより、ビットコイン上昇を受けて個人投資家の関心が戻り、短期的な需給の偏りが生じた結果とみる向きが多い。
今後、キムチ・プレミアムがさらに拡大するかどうかは、韓国国内の投資心理を測る重要な指標となりそうだ。ビットコインの上昇とともにプレミアムも広がれば、個人投資家による追随買いが本格化したシグナルと受け止められる可能性がある。
逆に、プレミアムが早期に縮小すれば、国内需要の流入は一時的だったことを示す可能性がある。
韓国市場では、世界的な上昇材料に個人需要が重なり、海外市場に対する上乗せが再び生じた格好だ。今後は、ビットコイン高が続くのか、国内取引所での価格乖離が一時的な現象にとどまるのかが焦点となる。