写真=Reve AI

ビットコインは8月に約25%上昇し、暗号資産の冬相場局面入り以降で初めて50カ月移動平均を上回った。もっとも、市場では9月の季節的な弱さに加え、米金利の先行きや8万2500ドル近辺の上値抵抗が重しとして意識されている。

Decryptが1日(現地時間)に報じたところによると、ビットコインは同日、7万7500ドル前後で推移した。前日比では約1.3%安。8月末の終値ベースでは、2017年以降で最も強い8月の上昇率を記録したが、日足では8月下旬から続くレジスタンス帯の下で上値の重い展開が続いている。

市場センチメントはなお強気寄りだ。Decryptの親会社Dastanが運営する予測市場「Myriad Markets」では、ビットコインが5万5000ドルまで下落する前に8万4000ドルへ到達する確率を77%と見込んでいる。直近の上昇の勢いが投資家心理に残っていることを示している。

今回の上昇局面は8月19日が起点となった。スコット・ベセント米財務長官が長期国債のバイバック規模を2倍に拡大したことで、市場では流動性への期待が高まり、国債利回りには低下圧力がかかった。これに加え、米証券取引委員会(SEC)が暗号資産の投資契約に関する枠組みを示し、規制面でも支援材料となった。

ただ、ジャクソンホール会議後は楽観がやや後退した。ケビン・ウォッシュ米連邦準備制度理事会(Fed)議長は初のジャクソンホール演説で、「労働市場よりもインフレ指標への懸念が強い」と述べた。これを受け、市場では9月15〜16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げの可能性が改めて意識された。ビットコインはバイバック発表直後の数日間に8万1000ドルを上回ったが、その後は7万8000ドルを割り込んだ。

テクニカル面では、短期と長期でシグナルが分かれている。日足の相対力指数(RSI)は66.1と上昇優位の水準にあるが、一般に過熱感の目安とされる70に接近している。トレンドの強さを示す平均方向性指数(ADX)は43.7で、明確なトレンド発生の目安とされる25を大きく上回った。

一方で、50日と200日の指数平滑移動平均(EMA)はなお弱気クロスの状態にある。50日線が200日線を下回っており、長期トレンドが完全に強気へ転換したと判断するにはなお早い。足元の上昇は価格先行の色彩が強いとの見方もある。ただ、両線の乖離は縮小しており、今後、強気クロスに移行する可能性は残っている。

月足では、より大きな変化も確認できる。ビットコインは2025年後半から2026年7月までの大半で50カ月移動平均を下回り、下落基調が続いた。この値動きは、2018〜2019年の弱気相場や、Terra・LunaとFTXの崩壊が相次いだ2022年の暗号資産冬相場と似た局面だった。8月の大幅高により、この平均線を回復し、冬相場入りを示していたシグナルは後退した。

とはいえ、新たな強気相場入りが確認されたわけではない。月次RSIは50.6と中立圏にとどまり、月次のADXも23.7と、強いトレンド確認の目安である25に届いていない。50カ月移動平均の回復は重要な変化だが、単なる反発を超えて長期上昇トレンドへ転換したと断定するには、なお材料が不足している。

需給面と規制環境は上昇シナリオを支えている。米財務省のバイバックプログラムは11月4日の償還四半期まで継続し、ビットコイン現物ETFには8月を通じて純流入が続いた。SECによる暗号資産ルール整備の手続きも進んでいる。日足のトレンド指標の改善とあわせ、トレンドフォロー資金の再流入を期待する見方も出ている。

もっとも、9月はビットコインにとって最も弱い月とされる。2013年以降でみると、9月は年間で最も不振な月だ。今年はこれにウォッシュ議長のタカ派発言とFOMC日程が重なり、相場の重荷となっている。市場で当面意識される上値メドは8万1455〜8万2538ドル、下値メドは7万3670〜7万5157ドル。8月安値の6万8858ドルも追加のサポートラインとして注目される。

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