写真=Reve AI

米政府債務が40兆ドルに迫る中、暗号資産運用会社Bitwiseの最高投資責任者(CIO)、マット・ホーガン氏が、AI関連株とビットコインを組み合わせて保有する戦略を提案した。米国の債務問題は、経済成長による吸収とインフレによる実質負担の圧縮という2つの方向が想定され、どちらに転んでも対応できる構えが必要だと訴えている。

ブロックチェーンメディアのU.Todayが1日(現地時間)に報じた。ホーガン氏は、米財務省の債務対応次第でAI株とビットコインがそれぞれ異なる役割を果たすとし、「両方を持つべきだ」と強調した。背景には、スコット・ベッセント財務長官が、国内総生産(GDP)成長率を3%超で維持しつつ、財政赤字の縮小を目指す必要があるとの認識があるという。

ホーガン氏は、米国の債務問題の帰結として2つのシナリオを想定する。1つは、AI導入による生産性向上が経済成長を押し上げ、債務負担を吸収するケース。もう1つは、成長率が十分に高まらないまま、高インフレによって債務の実質価値が押し下げられるケースだ。

◆成長シナリオではAI株、インフレならビットコイン

第1のシナリオでは、AI関連企業が恩恵を受けるとみる。AIの普及で生産性が大きく高まれば、半導体やデータセンターインフラを手がける企業への需要拡大と収益増が期待できるためだ。

実際、今年に入ってMicron Technologyの株価は年初来で224.97%上昇し、AMDも108.80%上げた。一方、Broadcomは直近3カ月で25.84%下落し、CrowdStrikeも直近1週間で7.24%下げたが、ホーガン氏はこうした動きを一時的な利益確定の範囲内とみている。

同氏は「ベッセント氏の見立て通り、成長によってこの問題を乗り切るなら、AI株を厚めに持つべきだ」と述べた。

これに対し、経済成長が十分に加速しない場合には、ビットコインが債務問題に対するヘッジ手段になり得ると指摘した。財政赤字と債務負担が続く中、インフレを容認することで債務の実質価値を下げる対応が取られる可能性があるためだ。

ビットコインは今年上半期、金融引き締めの影響を受けて軟調に推移し、7月時点では年初来で33%下落していた。ただ、8月には債券市場のボラティリティ上昇を背景に急反発し、下落率は10.91%まで縮小した。

◆「どのシナリオでも勝ちたいなら両方を持て」

ホーガン氏は、両資産が異なるマクロ環境に対応できる点を強調した。ビットコインが下落した夏場には半導体関連株が底堅く推移し、8月末にAI関連株が調整する局面では、ビットコインの反発が投資家の損失を一部補ったという。

同氏は「ベッセント氏の見立て通り、成長によって債務問題を解決できるならAI株を持つべきだ。逆に、その見立てが外れ、インフレによって問題が処理されるならビットコインを持つべきだ。どちらのシナリオでも勝ちたいなら、両方を保有するべきだ」と語った。

ホーガン氏の戦略は、米財政の行方を一点予測するというより、異なるマクロシナリオに備えて2つの資産を組み合わせる点にある。AI株は生産性向上と経済成長への投資先として、ビットコインはインフレや通貨価値の下落リスクへの備えとして位置付ける考え方だ。

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