ビットコインが例年の「夏枯れ」傾向を覆した。8月の上昇率は25%となり、8月としては過去3番目の高水準を記録した。米財務省の国債バイバック拡大方針や暗号資産関連法案への期待、ETFへの資金流入が相場の支援材料となった。
1日(現地時間)、ブロックチェーン関連メディアのBitcoin Magazineによると、ビットコインは8月に強い値動きを示し、季節的に弱含みやすいとされてきた夏場の相場観を覆した。
Bitwise Europeでリサーチ部門を統括するアンドレ・ドラゴシ氏はX(旧Twitter)への投稿で、「今年の夏はまだ夏枯れが見られない」と指摘した。8月の上昇率は、2017年の約66%、2013年の約31%に次ぐ過去3番目の水準だという。
一般に6〜9月は、ほかの時期に比べて平均リターンが低くなりやすいとされる。ビットコインは6月から7月の大半にかけて小動きが続き、6万5000ドル(約975万円)を下回る水準で推移していたが、8月中旬以降に流れが変わった。
転機となったのは、米財務省が示した国債買い戻し(バイバック)の拡大方針だ。債券市場への圧力や、20年ぶりの高水準に上昇した金利への対応として、バイバック規模を2倍超に拡大すると表明した。長期金利の低下は、ビットコインや金のような利息を生まない資産にとって追い風となりやすく、その後はビットコインへの資金流入が加速した。
ドナルド・トランプ米大統領が、議会に暗号資産関連のCLARITY法案の審議を促したことも相場を支えた。デジタル資産業界は、ビットコインやステーブルコイン、その他の暗号資産に関する規制の明確化を求めてきた。採決は遅れているものの、トランプ氏は同法案の草案について「非常に強力だ」と評価した。
資金フローも改善した。投資家は8月の1カ月間で、ETFに28億ドル(約4200億円)超を投じた。これは、ビットコインが過去最高値を更新した昨年10月以降で最大規模という。現物ETFを通じた資金流入の再開が、現物価格の上昇圧力につながった。
ビットコインは先週、一時8万1000ドル台(約1215万円)まで上昇したが、その後はやや上値を削っている。足元では7万7000ドル台(約1155万円)で推移し、24時間ベースでは約1.54%下落した。もっとも、直近1カ月の上昇率はなお20%を超えている。
足元の値動きは、ビットコイン相場が単純な季節要因よりも、マクロ環境や政策シグナル、ETFへの資金流入に強く反応していることを示している。今後は米金利環境の変化や暗号資産関連法案の行方、ETF資金流入の持続性が、短期的な方向感を左右する焦点となりそうだ。