Anthropicは9月1日、企業顧客の反発を受けて議論を呼んでいたデータ保存方針を見直し、企業向けの新たな保護枠組み「Enterprise Frontier Safeguard」を段階導入すると発表した。CNBCが報じた。
見直しの発端となったのは、6月に「Claude Fable 5」と「Mythos 5」の提供開始に合わせて導入した方針だ。Anthropicは当時、悪用対策や高度化・巧妙化したサイバー攻撃への対応を理由に、対象モデルの全トラフィックを30日間保存するとしていた。
同社は、保存したデータを安全対策以外の目的やモデル学習には使わないとしていたものの、企業顧客の間では機密情報の扱いを巡る懸念が広がっていた。
新たな保護枠組みの適用後は、データのレビューや保存、管理方法を企業側が直接制御できるようになる。Anthropicの従業員によるレビューを伴わない、自動化された安全性モニタリングにも対応する。
この機能は追加料金なしで提供する。Anthropicのサービスを直接利用する場合に加え、クラウド事業者経由で利用するケースにも適用する。
Anthropicで米州担当統括を務めるケイト・ジェンセン氏は、代替策の策定に向けて顧客と継続的に協議してきたと説明した。必要な水準のスキャンを維持しながら、処理を顧客側のシステムとデータ環境内で行うことで、自社のプライバシー基準を損なわない設計にしたとしている。
6月に導入した従来方針は、引き続き「Mythos」クラスのモデルを利用する非企業向け加入者に適用する。新たな保護枠組みは段階的に展開する。