ステーブルコイン対応の暗号資産決済カードが8月、決済額、決済件数、利用者数のいずれも月間の過去最高を更新した。Cryptopolitanが1日、報じた。
PaymentScanの集計によると、8月の決済額は10億7600万ドル(約1614億円)となり、7月に続いて2カ月連続で10億ドルを上回った。決済件数は約1067万件、利用アドレス数は前月の26万1000から28万3000超に増えた。1件当たりの平均決済額は100.80ドル(約1万5120円)だった。
事業者別では、RedotPayの8月の決済額が3億9010万ドル(約585億円)で、全体の約36%を占めた。決済件数は634万件超と全体の54%に達した。一方、平均決済額は約61.50ドル(約9225円)で、全体平均を下回った。EtherFiとKASTは月間決済額でそれぞれ2位、3位を維持した。
成長は新興市場で目立っている。シンガポールの決済事業者StraitsXは、暗号資産企業向けVisaカードプログラム支援事業において、GDP水準の低い地域の総取扱高が2025年初めから2026年にかけて600%増えたと公表した。
Binanceも、ブラジルで展開するカード事業について、利用者数が導入当初の四半期と比べて2026年第2四半期に53%増加し、平均取引額も80%伸びたとした。主な利用先は配車、フードデリバリー、食料品、飲食店、オンラインサブスクリプションだった。
Krakenは、「Krakカード」の週間決済回数が過去1年で1ユーザー当たり8.3件となり、2倍超に増えたと発表した。支出の59.3%は小売店や実店舗での購入が占めた。
発行や決済清算にかかるコストの低下も、小口決済の拡大を後押ししている。Mastercardは6月3日、USDC、Paxos発行トークン、RLUSD、SofaiUSDによるステーブルコイン清算の対応を8チェーンに拡大した。
Visaは、稼働中または開発中のステーブルコインカードプログラムが160件を超えるとまとめている。Rain、Reap、StripeのBridgeは、オンチェーン清算に必要な流動性コストやライセンス負担の軽減に寄与した。
一方で、取扱高全体の55.6%は上位3つのプログラムに集中しており、市場の偏在は続いている。RedotPayの数値はオンチェーンの観測値ではなく、発行体による自己申告である点も限界として指摘されている。
RedotPayは現在、Binance系列会社が香港で提起した約4億7280万ドル(約709億円)規模の請求案件への対応を進めている。さらに、10億ドル(約1500億円)規模の米国上場計画についても、2027年以前の実現は難しいとの見方が出ている。
市場全体の規模は依然として小さい。8月の取扱高を年率換算すると約129億ドル(約1兆9350億円)で、20兆ドルを超える既存のカード市場の約0.06%にとどまる。
もっとも、DeFiLlamaによると、ステーブルコインの供給量は5月のピークから3.6%減少し、約3040億ドル(約45兆6000億円)まで低下した。その一方で、カード決済は同じ期間に過去最高を記録した。