政府は個人総合資産管理口座(ISA)の制度見直しについて、年間拠出限度額の未使用分を翌年に繰り越せる現行ルールを維持し、契約期間の上限も撤廃する。先月公表した税制改正案から方針を修正した。一方、いわゆる「株価押さえ込み防止法」を巡る税制改正案は、国会審議の過程で改めて協議する。
企画財政部は9月1日、ISA制度の見直しを含む所得税法などの税法改正案を国務会議で最終決定したと発表した。政府は9月3日までに改正案を国会へ提出する方針だ。
修正案では、一般ISAについて現行どおり年間拠出限度額の未使用分を翌年に繰り越せるようにする。契約期間についても上限を設けず、最低加入期間の3年を満たせば、その後は期限を定めず口座を維持できるようにする。
政府が先月3日に公表した当初の税制改正案では、一般ISAの初回契約期間を3年とし、総契約期間を最長5年に制限する方針だった。年間拠出限度額の未使用分についても、翌年への繰り越しを認めないとしていた。
ただ、収入が一定しない自営業者やフリーランスに不利になりかねないことに加え、長期投資や複利効果を損なうとの指摘が相次いだ。このため政府は方針を見直し、従来制度を維持する方向に転じた。
導入を進める生産的金融ISAについても、同様の基準を適用する。最低加入期間は3年としつつ、最大契約期間は設けず、年間拠出限度額の未使用分の翌年繰り越しも認める。
当初案では、生産的金融ISAの最大契約期間を10年に制限し、年間拠出限度額の未使用分の繰り越しも廃止する内容だった。
青年型ISAと青年未来積立の重複加入も認める。政府は従来の税制改正案で両商品の重複加入を制限する方針を示していたが、修正案でこれを撤回した。
企画財政部は、ISA関連制度の見直しについて「国民の資産形成を支援するため」と説明した。
一方、いわゆる「株価押さえ込み防止法」に関する税制改正案については、今回の修正案では結論を出さなかった。
政府は「与党と政府の間で十分に意見を集約した上で、定期国会の審査過程で合理的な改善案をまとめる予定だ」としている。
ISA制度は、政府案の段階で投資家の反発を踏まえ、既存の優遇措置の大半を維持する方向に修正された。一方、「株価押さえ込み防止法」の具体案は、税法改正案の国会審議で決まる見通しだ。