米環境団体シエラクラブは、原油高で石油大手に生じた超過利益に対し、超過利得税(ウィンドフォール税)を導入するよう米議会に求めた。ガソリン価格の高止まりで家計負担が重くなる中、石油会社の利益の一部を消費者に還元すべきだと訴えている。
電気自動車専門メディアのCleanTechnicaが9月1日(現地時間)に報じた。シエラクラブが要請を公表したのは、トランプ大統領が石油大手の最高経営責任者(CEO)との会談を控えるタイミングだった。
背景にあるのは、原油高による石油業界の収益拡大だ。米自動車協会(AAA)によると、米国のガソリン平均価格は8月を通じ、1ガロン当たり4ドル(約600円)を上回った。8月の1カ月間を通して4ドル超が続いたのは初めてという。
シエラクラブは、石油大手の利益の相当部分が生産拡大や効率化、技術革新によるものではなく、戦争を受けた原油急騰で膨らんだ超過利益だと主張する。消費者が高いガソリン価格の負担を強いられる一方で、主要石油会社は記録的な利益を計上したとしている。
トランプ大統領も最近、自身のソーシャルメディア「Truth Social」で、石油大手がガソリン価格を高水準に維持し、記録的な利益を上げていると批判した。シエラクラブは、こうした状況を踏まえ、石油業界の価格設定や利益構造に政治が対応すべきだと強調した。
シエラクラブで「Beyond Fossil Fuels」政策を担当するマヒヤル・ソロル氏は、石油大手がガソリン価格の高騰を通じて家計から過大な利益を得ていると批判した。望んでもいない戦争の影響で家計が負担を背負わされる一方、石油会社はそれを数十億ドル規模の利益に変えていると訴えた。
シエラクラブが支持する超過利得税法案は、ロ・カンナ下院議員とシェルドン・ホワイトハウス上院議員が提案したものだ。世界的な危機の中で石油会社が得た超過利益の一部を課税によって回収し、高騰したエネルギー価格を負担した市民に還元することを柱としている。
ソロル氏は、石油業界の巨額利益について、「イノベーションや米国のエネルギー分野での主導力の成果ではなく、戦争が生んだ特需だ」と位置付けた。その上で、議会は石油大手に責任を問うとともに、エネルギー価格上昇の負担を家計だけに押し付けるべきではないと訴えた。
今回の要求は、ガソリン平均価格が1ガロン4ドルを上回る高値圏にある中で打ち出された。今後は、トランプ大統領と石油大手CEOの会談が、価格問題や超過利益の還元を巡る議論につながるかが焦点となる。