政府は2027年度予算案で、配送アプリ向け割引クーポンの配布や地域商品券の発行拡大、公的物流インフラの構築など、流通分野への支援策を打ち出した。農畜水産物流通では、民官合同の特別目的会社(SPC)を通じて、公的物流センターと流通法人の設立を進める。
政府は1日の閣議で、2027年度予算案と2026〜2030年の国家財政運用計画を議決した。予算案は3日に国会へ提出する。2027年の総支出は820兆9000億ウォンで、2026年本予算の727兆9000億ウォンから12.8%増える。小規模事業者、農漁民、脆弱労働者の生活安定に向けた予算は、10兆ウォンから15兆4000億ウォンに拡大する。
流通分野の主な施策は、消費クーポン、商品券、物流インフラの3つだ。企画財政部は、小規模事業者の売上基盤拡大と、農畜水産物の流通構造改善を編成の目的に挙げた。
小規模事業者支援予算は、2026年の2兆ウォンから2027年は3兆5000億ウォンに増額する。このうち、「共生配送アプリ」向けの割引クーポン支援として1240億ウォンを新たに計上した。5000ウォンのクーポン2400万枚を配布する。
地域愛商品券とオンヌリ商品券の発行規模は、29兆5000億ウォンから30兆1000億ウォンに拡大する。国費支援額も1兆6080億ウォンから1兆8329億ウォンに増える。地域愛商品券の発行額は25兆6000億ウォンとし、国費支援率は従来の3%・5%・7%の3段階から、3%・6%・8%・9%の4段階へ見直す。デジタルオンヌリ商品券の伝統市場向け割引率も、7%から10%に引き上げる。
伝統市場と商圏支援も拡充する。政府は、特性・テーマ別の市場・商圏育成事業として139カ所を新規に選定し、1カ所当たり最大50億ウォンを支援する。内訳は、百年市場3カ所、文化観光30カ所、生活消費40カ所、グローカル6カ所、ローカルテーマ10カ所、有望路地50カ所。猛暑対策として冷房機などを導入する伝統市場の安全管理パッケージは、対象を80カ所から340カ所に広げる。
農畜水産物流通では、公的部門が直接関与する体制を導入する。民官合同SPCによる公的物流センターと流通法人の設立に、2027年は110億ウォンを配分した。総事業費は1800億ウォンを見込む。オンライン卸売市場の活性化に向けたカスタマイズ型バウチャーは、2000件から3300件に増やし、支援対象品目に水産物を追加する。取引・決済資金も1000億ウォンから2000億ウォンへ拡大する。
価格情報の提供と需給管理の強化にも予算を振り向ける。買い物かごベースの物価情報をリアルタイムで提供する「賢い消費アプリ」の構築には11億ウォンを計上した。主要品目を対象とする先制的な需給管理予算は548億ウォン積み増し、2品目を対象に価格安定制度を導入する。ドローンと衛星を活用した農業観測の高度化にも16億ウォンを追加する。
消費者物価と直結する品目への支援も盛り込んだ。採卵鶏舎の改善に向けた低利の政策資金3000億ウォンを新設し、肥料の原料購入向け融資は2000億ウォンから5000億ウォンに増額する。農食品バウチャーは、支援品目に国産水産物を追加し、単身世帯向けの支援単価を月4万ウォンから5万ウォンへ引き上げる。
中小企業向けの輸出バウチャー予算は、1502億ウォンから3137億ウォンへ増額する。支援企業数は7789社から1万893社に拡大し、基本型5000社、成長型3000社を支援する。海外拠点化を支援する企業数は4384社から5661社へ、共同物流センターは302カ所から320カ所へ増える。
食品分野では、グローバルK-フード育成予算が888億ウォンから2437億ウォンに増える。海外の韓国料理店で国産食材を調達しやすくするため、K-食材の海外進出向け融資1360億ウォンを新設する。
オンライン販路の拡大とデジタル転換支援も強化する。AI職業訓練を修了した人材が事業所を訪問し、小規模事業者のAI・デジタル転換を支援するコンサルティング事業を、8000件規模で新設する。TOPSプログラムの後続支援として実施する広報・ブランディング支援は30社から60社に増やす。民間投資額の最大3倍を、上限2億ウォンでマッチングする支援は300社から450社へ拡大する。
小規模事業者向けのセーフティーネット予算も大幅に積み増す。金融支援関連の事業予算は1681億ウォンから9714億ウォンに増える。このうち、コロナ禍の影響を受けた小規模事業者などの長期延滞債務を対象とする特別債務調整に7000億ウォンを配分した。健康診断時の代替人員の人件費などを支援する健康ケア事業には2050億ウォンを充て、200万人に最大10万ウォンを支給する。雇用保険の適用外となる人を対象とした育児手当は、月50万ウォンを3カ月支給する。