韓国政府は、今後5年間に国家研究開発(R&D)へ200兆ウォン超を投じる方針を固めた。あわせて、2027年度の政府R&D予算案を前年比11.2%増の39兆5000億ウォンとし、半導体やAI関連分野への重点投資と、科学技術人材の育成・確保策を並行して進める。
国家科学技術諮問会議は8月31日、イ・ギョンス副議長の主宰で第9回審議会議を開き、「第5次科学技術人材育成・支援基本計画(2026~2030)」と「第2次国家R&D中長期投資戦略(2026~2030)」を審議・議決した。9月1日には、この内容とともに「2027年度国家研究開発事業予算編成案」を公表した。
◆5年間で200兆ウォン超を投資、半導体・AI・フィジカルAIを重点分野に
政府は、第2次国家R&D中長期投資戦略に基づき、2026~2030年に政府R&Dへ200兆ウォン以上を投じる。今後の年次投資方針や予算配分・調整の基準として活用する考えだ。
重点分野として掲げたのは、半導体、AIデータセンター(AIDC)、フィジカルAIの3大メガプロジェクトだ。半導体では製造競争力の維持に加え、素材・部品・装備の自立化率を現在の30%から50%へ引き上げる目標を示した。
AI分野では、世界競争力を5位から3位へ引き上げる方針を打ち出した。フィジカルAIでは、2030年までに世界トップ水準への到達を目指す。
このほか、先端バイオ、量子、宇宙航空といった次世代フロンティア分野に加え、小型モジュール炉(SMR)、核融合、再生可能エネルギー、先端サプライチェーンを束ねた「7大SEED」も重点育成する。2030年までの主な目標として、ブロックバスター新薬3件の開発、国産フルスタック量子コンピュータの完成、国内初となる民間主導の月面着陸を挙げた。
地域が直接企画・執行する地域自律型R&Dの比率は、地域R&D予算全体の4.2%から15%へ引き上げる。政府系研究機関の研究課題中心制度(PBS)の廃止や、基礎研究におけるブロックファンディングの拡大を通じ、研究者が研究に専念しやすい環境づくりも進める。
◆2027年度の政府R&D予算案は39兆5000億ウォン、新規事業は過去最大
2027年度の政府R&D予算案は39兆5000億ウォンで、今年より4兆ウォン増えた。増加率は11.2%。このうち、科学技術情報通信部の科学技術革新本部が配分・調整する主要R&D予算は33兆8000億ウォンで、3兆5000億ウォン(11.5%)増となる。
政府R&D予算は、今年の19.9%増に続いて来年も2桁の伸びを維持する見通しで、過去20年間の年平均増加率7.2%も上回る。
新規R&D事業には過去最大となる3兆3000億ウォンを投じる。総事業費1000億ウォン以上の大型R&D事業については、予備妥当性調査の廃止を受け、事業計画の検討期間を従来の約2年から3カ月程度に短縮し、投資の迅速化を図る。
科学技術情報通信部は先行して大型事業38件を検討し、このうち23件を来年度予算に反映した。イ・ジェフン同部研究開発投資審議局長は、「この3カ月間、諮問会議の専門委員と民間専門委員が38件の企画について、完成度や投資効率性などを点検した。多層的な検討を経て、23件を新規事業として反映することにした」と説明した。
10大NEXT戦略技術分野への投資も、今年の11兆ウォンから来年は13兆8000億ウォンへ拡大する。このうち、3大メガプロジェクト向けR&Dに5兆8000億ウォン、7大SEED向けR&Dに3兆7000億ウォンを充てる計画だ。
あわせて、投資型R&Dや地域自律型R&D、防衛産業関連R&Dも拡大する。若年層の育成、基礎研究課題の拡充、政府系研究機関に対する安定的な人件費支援に加え、災害安全など国民生活に直結する分野へのR&D投資も強化する。
◆科学技術人材政策を刷新、「ブレイン・ハイウェイ」構想を推進
政府は同日、今後5年間の科学技術人材政策の方向性を盛り込んだ「第5次科学技術人材育成・支援基本計画」も確定した。背景には、学齢人口の減少や理工系離れといった構造的な課題があり、科学技術人材が世界で活躍できる基盤づくりを進める。
政府は「科学技術人材になりたい国、科学技術人材が尊重される国」をビジョンに掲げ、人材の流入から成長、活躍までをつなぐ「ブレイン・ハイウェイ(Brain Highway)」の構築を打ち出した。政策目標として、産業・社会需要に見合う安定的な人材確保、イノベーションを主導する中核人材の重点育成、科学技術人材のライフサイクル全体を支える成長セーフティネットの整備を掲げる。
理工系の若年層向けには質の高い雇用を増やし、研究成果に対する補償や研究の自律性も高める。AI時代を担う革新人材の育成と並行して、地域拠点大学と4大科学技術院を中心に、地域内で人材が循環する体制づくりも進める。
世界水準の研究者を政府が直接発掘・支援する「国家科学技術者」制度も本格稼働させる。海外の優秀人材の獲得に向けては、ビザと就業を連動させた定着支援を強化する。
女性や経験豊富な科学技術人材の研究現場への復帰も後押しする。あわせて、科学技術副首相を軸とした省庁横断の人材政策協力体制を整え、毎年、関係省庁合同の実行計画を策定して政策の進捗を点検する方針だ。
国家科学技術諮問会議は「本計画を着実に履行することで、国家のイノベーション成長をけん引し、韓国の人材が世界水準で活躍するというビジョンの実現につながる」としている。