生産車種ではなく、生産方式の刷新を軸に進むルイビル工場の改修。写真=Shutterstock

Fordは、米ケンタッキー州のルイビル組立工場に20億ドルを投じ、同工場をEV専用工場に改修する。新たな生産方式「Universal EV」を導入し、中型EVトラック「Fathom」の試作を2027年1〜3月に始め、同年中の納車開始を目指す。

EV専門メディアのCleanTechnicaが1日(現地時間)に報じた。改修の柱は、約300万平方フィートの既存工場から内燃機関向け設備を撤去し、EV専用の生産拠点へ切り替えることにある。

Fordはすでに、ルイビル工場をEV専用工場へ転換する方針を明らかにしていた。Fathomは同工場で生産する計画だ。

大規模改修は既存設備の撤去から始まった。Fordは2025年末に工場の稼働を止め、数週間かけて大型設備を分解・搬出した。数千トン規模の鋼構造物も工場外へ移設し、2月時点では工場内部が骨組みだけの状態になったと説明している。

現在はEV向けの生産システムの構築が進む。Fordによると、昨冬以降、ルイビル工場での改修は急ピッチで進んでおり、組立工程を大幅に簡素化するUniversal EVの生産方式を適用している。

新体制の整備後、Fathomの試作は2027年1〜3月に始める予定だ。顧客への納車も同年中の開始を目標とする。

Fordは、車両性能や価格、販売計画などの詳細は公表していない。一方で、Fathomと新生産方式の組み合わせが、EV事業の新たな足がかりになる可能性を示している。

米国では、EV支援の縮小や市場環境の変化を受け、完成車メーカー各社がEV計画の見直しを進めている。Fordも既存EVラインアップの調整を進めてきたが、ルイビル工場では新たな生産システムを軸にEV事業を継続する構えだ。

Universal EVプロジェクトは、EVの組立工程を簡素化し、生産効率を高める点に重点を置く。Fordはこれにより、変化の大きいEV市場に柔軟に対応する考えだ。

今後の焦点は、2027年1〜3月に予定するFathomの試作が計画通り進むかどうかだ。量産と納車開始までつながれば、ルイビル工場はFordの次世代EV生産戦略を担う中核拠点となりそうだ。

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