放送メディア通信委員会は1日、2027年度予算案と基金運用計画案を総額2977億ウォンに編成したと発表した。前年度比346億ウォン(13.2%)の増額で、昨年10月の委員会発足後では初の本格予算編成となる。放送・メディア分野のAIトランスフォーメーション(AX)、オンライン上の偽情報・操作情報への対応、国民のメディア主権強化に向けた投資を拡大する。
2027年度予算は、(1)放送・メディア生態系の持続可能な発展と革新支援(2)安全で信頼できるデジタル環境の整備(3)国民のメディア主権強化――の3分野を柱に配分した。
放送・メディア産業のAX支援では、放送局が保有する映像をAI学習用データに加工する「放送映像AI学習データ構築モデル事業」に100億ウォンを新規計上した。
あわせて、中小・零細の放送事業者向けに、AIベースの制作・編集ソリューション導入を支援するバウチャー事業も進める。AIを活用した放送コンテンツのショートフォーム制作支援や、AI技術教育を受けた青年インターンの支援事業も新たに実施する。
AIベースの放送制作・編集に必要な基盤技術の確保に向け、研究開発(R&D)予算も積み増した。国内ラジオ放送局の統合サービスプラットフォーム構築、有料放送の視聴データ標準化支援も新規事業として盛り込んだ。
オンライン上の偽情報・操作情報対策では、情報通信サービス透明性センター関連の予算を編成した。同センターは、施行された改正情報通信網法に基づき、ファクトチェック団体への支援や、ファクトチェックに関する研究・教育を担う。
国民のメディア利用環境と活用能力の向上に向けた予算も拡充する。視聴者メディア財団のメディアリテラシー教育予算は前年度の約2倍となる24億ウォンとした。あわせて、慶尚北道と全羅北道の視聴者メディアセンター整備に、それぞれ25億ウォンを投じる。
障害者のメディアアクセス権確保に向けては、聴覚障害者向けテレビ受信機の普及、障害者放送の制作支援、視覚障害者向けのAIベース自動画面解説システム開発に充てる予算も増額した。
このほか、地域・中小放送と韓国教育放送公社(EBS)の番組制作支援予算も拡充した。文化体育観光部と共同で進める「デジタルコンテンツ・コリア・ファンド」への出資額は、前年度の10倍となる50億ウォンを計上した。
一方、全国民を対象とするインターネット倫理教育事業は、政府予算案の審議過程で減額された。疎外階層向けのAIバウチャー支援事業も予算案には反映されなかった。委員会は、国会での予算審議の過程で関連予算の追加確保を目指し、財政当局などと協議する方針だ。
キム・ジョンチョル委員長は「2027年度予算案を通じて国民のメディア主権を一段と強化し、変化するメディア環境に対応した産業競争力を高めていく」と述べた。その上で「これを基盤に、誰もがメディアの恩恵を享受し、安全で信頼できるメディアを利用できる『メディア基本社会』の実現を進める」とした。